元所長に懲役2年求刑 業者と現金55万円授受も 千葉市官製談合の初公判

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 千葉市発注工事を巡る官製談合事件で、2件の入札情報を業者に不正に漏らしたとして官製談合防止法違反の罪に問われた同市緑土木事務所の元所長、内山恵市被告(60)=懲戒免職、同市若葉区多部田町=と、情報を基に落札した公契約関係競売入札妨害の罪に問われた「伊藤工務店」(同市中央区蘇我1)の元営業担当、池田厚美被告(70)=同区南町3=の初公判が7日、千葉地裁(野原俊郎裁判長)で開かれ、両被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。両被告の間で現金授受があったことも明らかになった。検察側は内山被告に懲役2年を、池田被告に懲役1年6月をそれぞれ求刑し即日結審した。判決は今月29日に言い渡される。

 起訴状などによると、内山被告は市街路建設課長だった2016年7月に行われた市発注の道路拡幅工事の入札を巡り、工事価格や技術評価点を池田被告に漏えいし、2億1200万円で落札させた。また同所長だった昨年5月、同様に陸橋工事の入札情報を漏らし2億700万円で落札させ、公正な入札を妨害したとされる。

 検察側は、両被告は30年以上前から顔見知りで、東日本大震災の復旧工事を通じて頻繁に会い親しい関係になり、池田被告が内山被告に入札情報を教えるよう依頼したと指摘。「内山被告は現金を借りていたので池田被告の頼みを承諾した」とした。

 池田被告が16年3月、内山被告に「飲み代の足しにしてください」と現金10万円を渡し、翌年にはスーパーマーケット駐車場で現金5万円を手渡した。経済的に困窮していた内山被告は、池田被告から2回にわたり計40万円を借りて返済していないことを明らかにした。

 内山被告は検察側の被告人質問で、「当時は建設業界の発展につながると信じていた」と動機を述べ、起訴された2件の入札情報の他に6件の情報を池田被告に漏らしていたことを認めた。

 池田被告は弁護側の被告人質問で「会社の業績を何とかしたかった」と話し、内山被告に現金を貸したことは認めたが、計15万円を手渡したことや別の工事情報を得たことは「記憶が全くない」と否定した。

 内山被告の弁護側は「持ち掛けられたためで、積極的に教示したわけではない」。池田被告の弁護側は「賄賂性は否定しないが主要な動機ではない」とし、いずれも執行猶予付きの判決を求めた。

◆元社長も認める

 道路拡幅工事について、池田被告と共謀して不正に落札したとして公契約関係競売入札妨害の罪に問われた伊藤工務店の元代表取締役社長、伊藤大介被告(45)=千葉市中央区蘇我1=の初公判も同日行われた。伊藤被告は起訴内容を認め、検察側は「入札に主導的に関与した」として懲役1年6月を求刑。弁護側は「池田被告の指示通り入札しただけに過ぎない」とし、執行猶予付きの判決を求めた。