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機能強化を最終合意 3本目の建設決定 運用時間は2時間半延長 【動きだした成田第3滑走路】

 成田空港の機能強化について検討する国と成田国際空港会社(NAA)、千葉県、地元9市町による「四者協議会」が13日、千葉市内で開かれ、運用時間の延長などを盛り込んだ再修正案で最終合意し、確認書を取り交わした。2015年9月からスタートした機能強化の議論は約2年半の協議期間を経て決着。合意により、3本目のC滑走路建設と、開港以来40年間続いた午前6時~午後11時の運用時間がC滑走路運用後は午前5時~翌午前0時半となり、現行より2時間半延長されることが決まった。

 合意により、2020年の東京五輪までにA滑走路のみ午前6時~午前0時まで1時間延長を先行して実施。一方でB滑走路の北側1キロ延伸とC滑走路建設に向けた法的手続きや用地取得も進める。C滑走路運用は早くても10年はかかる見通しという。

 C滑走路オープン後は、空港全体の運用時間は午前5時~翌午前0時半としつつ、午前5時~午後10時と午前7時半~翌午前0時半の2通りの運用時間を滑走路ごとに入れ替える「スライド運用」を導入し、3本の滑走路の飛行ルート下で、飛行機の飛ばない静穏時間を7時間確保。平行する滑走路のルートに挟まれ双方から騒音を受ける谷間地域には寝室に内窓を設置するなどの新たな防音対策も講じる。

 確認書には、A滑走路の夜間先行延長の実施状況を踏まえ、C滑走路供用後の運用時間について、要望があれば段階的な実施も検討することが明記された。

 騒音下の市町にNAAが支出する周辺対策交付金は現行の約40億円から1・5倍の60億円に増額。空港用地があり税収増が見込まれる市町と騒音のみが拡大する自治体との格差是正のため、これまで対象外だった教育や医療にも活用できる「地域振興枠」を重点配分する。

 空港圏の均衡ある発展に向けては、県が道路整備などの方針を盛り込んだ地域振興策を順次実施。19年度に実施プランをまとめる。

 合意を受け森田健作知事は「さらなる空港の発展に多いに寄与する。9市町の決断に感謝する」、NAAの夏目誠社長は「感無量。成田空港にとって歴史的な1日」と興奮気味に話した。

 9市町を代表して成田市の小泉一成市長は「住民の不安は認識しているが、この機能強化を地方創生につなげていきたい」とした。

◆騒音下の理解道半ば メリット実感できる対策を 【解説】

 2015年9月の提案から2度の見直しを経て、 ・・・

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