「夏」異変 千葉県内海水浴場・プール・ビアガーデン 「書き入れ時」に悲鳴 気温低く、遠のく客足 屋内施設は「ホクホク」

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利用客がまばらな海水浴場。この日は雨も降り、傘を差したりかっぱを羽織る人の姿も見られた=16日午後0時20分ごろ、御宿町の海水浴場

 18日は久しぶりに暑かったが、今月の千葉県内はまるで梅雨が戻ったかのような“寒い夏”。日照時間が平年の半分にとどまり、平年気温を下回った所も多い。夏休みはあとわずかだが、まだしばらく曇りや雨の日が多いとの予報もあり、書き入れ時にもかかわらず客足が遠のいたままの海やビアガーデンの関係者からは悲鳴が上がる。一方で屋内施設は来園者が微増、家電店では炊飯器の売上げが伸びる珍現象も起きている。

◆船橋の日照平年3割

 銚子地方気象台によると、雨や曇りの日が多いのは、日本列島の南海上付近にある太平洋高気圧の張り出しが弱いことが原因。一方で、北海道の北のオホーツク海高気圧の影響で、北東の風が流れ込みやすく湿った空気や雲が広がった。

 県内で8月に入って雨が降らなかったのは2日間のみ。銚子市では降水量が平年比約1・5倍の83ミリを記録している。1~15日の日照時間は平年比50%以下の地点が12地点中8地点。最も日照時間が少なかったのは船橋市で約34時間。平年のわずか約34%にとどまる。

 また、気温も低く同月に30度以上の真夏日を記録したのは銚子市では3日間で、気温も平年より0・3度低い。千葉市でも真夏日は7日間で気温は平年を0・8度下回った(いずれも16日現在)。

 気象庁の関東甲信地方週間天気予報によると、来週後半は晴れ間も出て気温も上昇するとみられるが、しばらくは曇りや雨のぐずついた日が多くなる見込みだ。

◆水のレジャー不振

 「寒い夏」に海やプールのレジャー業界は悲鳴を上げている。御宿町観光協会によると、昨年8月の同町内海水浴場の来場者は約6万人だったのに対し、今年は14日現在で1万7千人。「例年より少ない。涼しい日が続き、店を開けない海の家も多い」(担当者)と嘆く。約50年、同町で海の家を営業する男性(81)も「こんなに天気が悪い日が続くのは珍しい」。1日も休まない年もあったというが「今年は既に3日間休んでいる」とため息を漏らす。

 千葉市美浜区の「稲毛海浜公園プール」の入園者は、同施設を管理・運営する市スポーツ振興財団によると15日現在、約10万9千人で前年同期比の約2割減。同プールの山下敏弘施設長(58)は「朝寒かったり、天気が悪い日が続くと客足は遠のく。今後天気が回復したら、夏を取り戻しにぜひ来てほしい」と期待する。

 千葉ポートタワー(同市中央区)のビアガーデン「Port Garden Cafe」は屋外のため雨天時は営業を中止。書き入れ時の8月に営業できたのは16日まででわずか9日間。売り上げは前年比の35%にとどまる。同タワーの飲食担当、渡辺博さん(57)は「営業ができても寒かったり、曇りがちでお客さんがほとんど来ない」と肩を落とす。

◆涼しくて食欲増進?

 一方で好調なのが天候の影響を受けない屋内施設。印西市にある屋内動物園「MOFFアニマルワールド」は8月前半の入場者数が前年同期比約1・3倍。店長の中島文由加さん(28)は「天候を気にしないで遊べるので、特に家族連れが多く訪れた」と話す。

 そして、意外な売れ筋商品が「炊飯器」。ヨドバシカメラ千葉店(千葉市中央区)では売上げが前年比110%という。家電コーナーの責任者、桑田忠晴さん(42)は「涼しいので、夏に落ち込みがちな食欲が逆に増しているのでは」と、思わぬ人気商品に驚きを隠せない様子だった。