33年間「ありがとう」 消える街のシンボル 千葉三越閉店

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三越千葉店が20日、33年の歴史に幕を下ろした。閉店後、来店客を送り出した店舗関係者は深々とお辞儀し、長年の愛顧に感謝した=午後7時35分ごろ、千葉市中央区
店内は閉店直前まで大勢の客でにぎわった=20日午後6時45分ごろ、千葉市中央区の三越千葉店

 20日夜、千葉駅前で33年にわたり営業してきた百貨店、三越千葉店(千葉市中央区)が閉店した。開店前から約550人が列をつくり、店内は閉店まで買い物客でにぎわった。店外のライオン像前では写真を撮ったり、頭をなでたりして名残を惜しむ人の姿も。来店客や元従業員からは街のシンボルがなくなることを残念がる声に加え、市街地の空洞化を懸念する声が上がった。

 20年以上、同店で働いていた同市若葉区の無職、田村ます江さん(76)は「辞めた今でも話しかけてくれる、いいお客さんがたくさんいた。今日は『ありがとう』を伝えに来た」と涙ながらに話し、最後の姿を写真に収めた。

 親子で買い物に訪れた同市中央区の会社員、山口悦子さん(36)は「閉店と知って有休を取った。パルコもなくなり、街がさびれていくようで寂しい」と惜しんだ。

 同店に隣接する「時田ミシン」の時田智代表(53)は「せっかく大通りがあっても、これからはサラリーマンしか通らなくなるのでは。近隣の駐車場にも影響が出そう」と不安がった。

 同区の会社員、山田仁之さん(34)、ミユさん(34)夫妻は「子ども服から食料品まで何でもそろうので便利だった。次も同じような商業施設になると助かる」と要望を口にした。

 同店は1984年、「ニューナラヤ」を「千葉三越」に商号変更して営業を開始。合併に伴い、2003年からは「三越千葉店」として営業していた。商業施設間の競争激化に伴い売り上げが減り、近年は営業赤字が続いていた。

 JR千葉駅ビルなど新たな商業施設の開業で、さらなる競争激化が予想される中、「現店舗の維持へ多大な投資を行っても回収の見込みが立たない」(三越伊勢丹ホールディングス)として昨年9月に閉店が決まっていた。