「弟を人として見ていたか」 遺族が意見陳述 石郷岡病院事件

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 菅原、田中両被告の裁判員裁判の第10回公判では、被害者参加制度を利用し、弘中さんの姉と父親が意見陳述した。父親は弘中さんが亡くなる少し前に、母親に「僕の人生、どうしてこうなっちゃったんだろう」と、涙を流しながら話していたことを明かし「悔しかっただろう、つらかっただろう。法の裁きをもって、厳重な処罰をしてもらい、一刻も早く墓前に報告したい」と訴えた。

 父親は「保護室は何もない世界。隔離世界で暴行を受けた息子の悲しみ、苦しみは言葉にできない。天井を見つめるだけの入院生活。息子の絶望感はいかばかりだったか。自責の念に押しつぶされそうだ」とし「被告人らの行為は人間の尊厳を踏みにじった。大事な宝の息子の生涯を非人道的なやり方で終わらせ、家族から平和を奪った。断じて許せない」と、厳罰を求めた。

 意見陳述書を提出した姉は「人の命を救うはずの病院で暴行された弟の気持ちを思うといたたまれない。自由も人間の尊厳も奪われた弟が『おれの人生、間違っていたよ』とぽつりとこぼしていたことが忘れられない。亡くなった日も、何時間も弟は涙を流していた」と振り返り「誰が見ても分かるカメラがあるのに否認している。人を人とも思わぬ医療が今回の事件を招いた。あなた方は医療従事者として恥じぬ行動をしたと思っているか。弟を一人の人間として見ていたか。誇りはあるか」と、両被告に向けて訴えた。