さよなら、千葉パルコ 「心にぽっかり穴」 利用者、地元に惜しむ声 きょう閉店

 千葉パルコ(千葉市中央区)がきょう30日閉店し、40年にわたる長い歴史に幕を閉じる。若者文化の発信源として、また同市中心市街地のシンボルとしても愛された。利用者や地元関係者からは惜しむ声とともに、今後を心配する声も聞かれる。

 「子育てをしていたころによく利用した。息子とチョコレート菓子を買った思い出があるので寂しい」

 そう話す千葉市中央区の仲原芳子さん(64)は「ここ3日ほど、お店に『ありがとう』を言うために通っている」。

 夕飯の買い物へよく来店するという同区の主婦、奈良原一枝さん(67)は「食材を買うのには困らなかった。街の活性化に潤いを与えてくれていたと思う」と感謝。市原市の無職、阿藤恵子さん(73)は「靴やバッグを買うために専門店を利用していた。閉店は寂しい」とし、「食料品を買っていた周辺の住民は困るのではないか」と心配した。

 18歳のころから10年ほど同店内に勤めていた千葉市中央区の女性(55)は「当時は一つのフロアにエスカレーターが2基あったり、日本語と英語両方のアナウンスが流れるのが画期的だった」と懐かしんだ。

 商店街も惜別の声であふれた。「中島書店」の中島浩代表取締役(55)は「開店当時は千葉にもすごい店が建つ-と喜んだ。時代の流れは仕方がないが、長年知っている店がなくなるのは心にぽっかり穴が空いた感じ」としんみり。

 そば店「阿づ満庵」店主の妻、吉田佐知子さん(55)は「30年前に嫁いできたころからある店。閉店を知って昔よくパルコを利用していたお客さんも懐かしがって寄ってくれ、『寂しくなる』と皆が口をそろえている。パルコに勤めていて食べに来てくれる人にも会えなくなってしまう」と悲しげだ。

 空洞化などが心配される“パルコ後”については、マンションや商業施設からなる複合ビルが4年後をめどに開業する計画が明らかになった。吉田さんは「ひとまずは安心」と胸をなで下ろす。

◇千葉パルコ 1976(昭和51)年12月開店。DCブランド衣料店などを中心に若者らの支持を集め、ピークを迎えたバブル期91年度の売上高は約230億円。近年は郊外型商業施設の台頭もあり、2014年度の売上高は約57億円にまで減少。JR千葉駅の新装開業など市内中心市街地の動向もにらみ、昨夏に閉店が決まった。地上8階地下1階。


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