2016年10月18日 10:32 | 無料公開
高齢者をだまして発送させた現金の受け取り役だったとして詐欺罪などに問われた市原市の女(29)の控訴審判決で、東京高裁(藤井敏明裁判長)は「だまし取ったものが、荷物の中に入っているという認識はなかった」と指摘し、詐欺について逆転無罪を言い渡した。判決は14日付。
女は一審千葉地裁で詐欺罪を認め、他に起訴された覚せい剤取締法違反罪と合わせて懲役2年6月を宣告された。刑が重いとの理由だけで控訴し、事実関係自体は争っていなかった。そうした中での無罪判断は異例だ。
女は2014年12月、別の人物から指示を受け、高齢の女性をだまして宅配便で送らせた現金30万円入り段ボール箱を自宅で受け取ったとして起訴された。
女は捜査段階で「漠然と詐欺かもしれないと考えていた」と供述。しかし高裁判決は、控訴審での被告人質問の内容を踏まえ、「誘導的な検察官の質問に答えたもので、内心を述べたかどうかは疑わしい」と結論付けた。
その上で、覚せい剤取締法違反罪について懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した。
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