復興の思い、卓球台に込め 岩手のブナ使用しリオへ 流山のメーカー

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 卓球台を支える脚部に岩手県産のブナ材を使い、東日本大震災からの復興に取り組む東北の思いを込めた。日本有数のメーカー「三英」(本社・流山市)が製作したリオデジャネイロ五輪・パラリンピックの公式卓球台が今月上旬、現地に到着、来月には世界の舞台でお目見えする。社員たちは被災者の励みになってほしいと願っている。

 同社の卓球台が五輪・パラリンピックで採用されたのは1992年のバルセロナ大会以来。同社の吉沢今朝男工場長(48)は脚部を木製にした理由を「ブラジルは日系人が多く、日本とのつながりが深い。日本のイメージを強く押し出したかった」と説明する。木目をきれいに見せるよう工夫、曲線形にした。

 デザイン案を練っていた2011年3月、震災が起きた。みんなが卓球を楽しむはずの体育館は急きょ避難所になり、東北に納品予定だった卓球台は倉庫に残った。

 東北の木材が世界の舞台で使われることが、被災者の力にならないか−。そう考えた吉沢さんたちは、岩手県宮古市産のブナを脚部の素材に選んだ。ブナは粘りがあり、曲線に加工するのに優れているという。

 台には英語で無限を意味する「インフィニティ」と名付けた。世界最高の舞台では、選手だけでなく用具にも無限の可能性が広がっているとの気持ちを込めた。「子どもたちが『あの場所でプレーしたい』と思うような、世界の舞台にふさわしい台になっているといい」と吉沢さんは言う。

 五輪・パラリンピック期間中は社員が会場に出向き、練習中や試合中に台が欠けたり、高さがずれたりした時のメンテナンスを受け持つ。吉沢さんは「今回の経験を4年後に生かしたい」。既に20年東京大会を見据えている。