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千葉市の会社に是正勧告 千葉労働局全国初公表、最長月197時間 違法長時間労働

 月100時間を超える違法な長時間労働を複数の職場で行っていたとして、千葉労働局(福沢義行局長)は19日、棚卸し代行業、エイジス(斎藤昭生社長、本社・千葉市花見川区幕張町、従業員数約700人)に対して是正勧告を行った。同社では4営業所で月最長197時間の長時間労働があった。厚生労働省省では昨年5月18日から違法な長時間労働を繰り返している企業の指導・公表を実施しており、企業名の公表は全国初。

 同労働局によると、同社では4カ所の営業所で1カ月当たり100時間を超える時間外・休日労働が認められた。いずれも労働基準法違反で、時間外・休日労働が認められた従業員数は計63人。最長で月197時間の従業員もいた。

 同社によると、197時間に及んだ従業員は期末の実地棚卸し業務に従事していたという。

 同労働局では同日、斎藤社長に対し、福沢局長が直接是正勧告書を交付。具体的な長時間労働削減方策を樹立し、全社的に是正するよう指導した。

 同社ではことし4月から、社長を委員長とした社内プロジェクトを立ち上げ、労働時間管理の徹底、業務量平準化への取り組み、業務効率化の推進の3点に関して重点に取り組みを開始しているという。

 同社は同日、ホームページ上に「関係者に心配と迷惑を掛け、心からおわびする」とする社長名の文書を掲載した。

 厚労省によると、指導・公表の対象となる基準は(1)社会的に影響の大きい企業(2)違法な長時間労働が相当数の労働者に認められ、このような事態が一定期間内に複数の事業場で繰り返されている-としている。

 ◇長時間労働の規制 労働基準法は労働時間の上限を1日8時間、週40時間と規定し、企業が従業員に時間外労働をさせる場合は、あらかじめ労使協定(三六協定)を結ぶ必要がある。時間外や休日労働には割増賃金が発生する。厚生労働省は三六協定で定められる時間外労働の上限を月45時間、年360時間としているが、労使で合意すれば、繁忙期などにはこの上限を超えた時間外労働も可能になる。事実上、過労死ラインとされる月80時間を大幅に超える残業もできることになるため、労働組合などからは時間外も含めた労働時間の上限規制をするべきだとの声が上がっている。

◆「見せしめ効果」に評価 監督官増員求める声も

 厚生労働省が19日、違法な時間外労働をさせていたとして、是正指導した企業名の初公表に踏み切った。過酷な長時間労働を繰り返す「ブラック企業」が社会問題になる中、企業への「見せしめ効果」を狙った措置だ。「順法意識を高める」と評価の声が上がる一方、より実効性を高めるため、労働基準監督官の増員が必要だという指摘もある。

 長時間労働抑制に向け、厚労省は監督指導を強化してきた。昨年、東京、大阪両労働局に過重労働撲滅特別対策班を発足させ、今年4月には全国の労働局にも専門担当官を配置した。

 労働基準監督官が多数加入する「全労働省労働組合」の森崎巌委員長は「企業の意識を高める大きな一歩だ。労働者が働く前に、悪質な企業を知るためにも役立つ」と評価、今後も公表を続けるべきだとした。

 一方で、監督官は全国に約3千人。数百万の事業所数に比べれば限られた人数だ。若者の労働相談を手掛けるNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表は「公表の効果をより高めるためにも、監督官を増員するべきだ」と指摘した。


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