「機体きりもみ」情報 前方部分の破損激しく 墜落グライダー

 栄町の住宅にグライダーが墜落、搭乗者の男性2人が死亡した事故で、同町安食台3の現場となった住宅では18日、千葉県警や運輸安全委員会が派遣した航空事故調査官による調査が行われたほか、重機などを使った機体の撤去作業が行われた。撤去作業は午後1時ごろから約2時間で終了し、機体は離陸した茨城県河内町の大利根飛行場に運ばれた。

 県警によると、機体は操縦席のある前方部分の損傷が激しく、機首から住宅の2階部分に突っ込んだとみられる。操縦席部分は大破していた。県警の周辺住民への聞き取りでは「機体はきりもみして墜落した」という目撃情報もあり、県警では墜落原因とともに、機体が滑空しながら墜落したのか急降下しながら墜落したのかなどを慎重に調べている。

 成田署によると、機体は北から南に向けて飛行。住宅にぶつかって右翼が隣家に衝突したとみられる。同署の調べでは、グライダーについてのライセンスを取得するための訓練飛行だったらしい。

 事故調はこの日の午前9時ごろ現地入りし、機体の破損状況の確認など機体全般を中心に調査した。吉田真治航空事故調査官によると、機首は北東を向いていたという。

 一方、成田署は18日、司法解剖の結果、グライダーに搭乗していた教官で契約社員、藤岡修二さん=当時(69)=の死因は胸部外傷による臓器損傷、生徒の無職、渡辺協一さん=同(66)=は外傷性ショックだったと発表した。

 グライダーは17日午後0時5分ごろ、大利根飛行場を軽飛行機に引っ張られて離陸。同20分ごろ、約2キロ離れた住宅に墜落した。銚子地方気象台によると、同日午後0時現在の風速は南西の風1・8メートルだった。

 墜落事故から一夜明けた現場周辺では、住民らが不安そうに機体の撤去作業を見守った。

 近くに住む会社員女性(48)は「住宅街に墜落して怖いと思った。子どもの学校が近いのでとても心配」と顔を曇らせた。近所に住む無職女性(83)は「近くに弟一家が住んでいるので、気になって来てみた。ひどい状況だ」と不安そうな表情で話した。

◆「民家墜落は残念」 石井国交相

 栄町のグライダー墜落死亡事故を受け、石井啓一国交相は18日、閣議後の記者会見で、事故原因究明へ同省運輸安全委員会による調査を同日も行っていることを説明した上で、「民家に墜落したということで大変残念。原因究明を踏まえて再発防止に取り組みたい」と述べた。


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