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金の密輸入急増 摘発件数17・5倍 税制悪用、消費税分8%利益に 成田空港

金地金がノートパソコン内部に隠されていた(東京税関成田支署提供)
金地金がノートパソコン内部に隠されていた(東京税関成田支署提供)
皮膚を模したシリコンで金地金を隠して持ち込もうとしたケースも
皮膚を模したシリコンで金地金を隠して持ち込もうとしたケースも

 成田空港で摘発された金の密輸件数が昨年4月の消費税増税後、急増していることが、東京税関成田支署のまとめで分かった。金の輸入には関税はかからないが、密輸して日本国内で転売すれば消費税分の「8%」が“もうかる”という、日本の税制を悪用した犯罪だ。昨年7月からの1年間の摘発件数は前年同期の17.5倍に当たる70件。同支署は、背後に密輸組織の存在もあるとみており、告発も含め取り締まりを徹底強化する。

 金の価格は世界一律で輸入の際には関税はかからない。しかし、20万円以上の金を日本に持ち込む場合は申告して消費税を支払わなければならず、8%の消費税を納付する必要がある。これを申告せずに密輸し、日本国内で売却すれば消費税分が利益となる。

 同支署によると、売買価格は約400万円の金地金1個(重さ1キロ)を密輸した場合、消費税分の約32万円が密輸者の利益になる計算。購入するのはシンガポール、マレーシアなど消費税がかからない東南アジアの国が多いという。

 同支署が消費税増税前の2013年(7月~翌年6月)に成田空港で摘発した金の密輸件数はわずかに4件だったが、消費税増税後の14年同期は70件に急増。航空機旅客がノートパソコンの内部やポケット付きのアンダーウエアに隠したり、皮膚を模したシリコンを腹部に装着してその内側に隠匿したケースもあった。

 仲丸浩史東京税関成田支署長は「背後に密輸組織の存在もある。地検など関係機関と連携し、悪質な事案は告発も視野に厳正に対処する」と話し、取り締まりの強化徹底を図る。

◆覚せい剤は大幅減 手口巧妙化か、別手段移行か

 同支署は、成田空港で1~10月に摘発した覚せい剤密輸事件が前年同期比で約82%減の13件、覚せい剤の押収量が同約65%減の約61キロとなり、いずれも大幅に減少したと発表した。

 同支署は「成田空港ではこれまで旅客による密輸が多かったが、手口が巧妙化したか、貨物、郵便など別の方法に移行した可能性もある」としている。覚せい剤の国内の末端価格は昨年とほぼ変わっていないとして、引き続き警戒を強める。

 また、1~10月の大麻密輸事件の摘発件数は前年同期比で10%減の9件だった一方、押収量は約99%減の約300グラムと激減した。同支署は「大麻は個人使用を目的にするケースが増えてはいるが、押収量が大きく減った理由はよく分からない」としている。


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