2015年5月30日 09:46 | 無料公開
千葉大は29日、環境健康フィールド科学センターの李スミン助教が、同じ研究室に所属していた元大学院生らが作成した研究資料を韓国の学会での講演に流用していたなどとして、盗用に認定したと発表した。李助教は資料の元になる研究に関係しておらず、引用元の表示も不十分だったという。千葉大は処分の有無を明らかにしていない。
千葉大によると、李助教は元大学院生らの研究グループが作った資料16枚を無断で韓国語に翻訳。2013年5月、学会で「植物が人間の心身に及ぼす影響」に関する講演をする際の資料に盛り込んだ上、引用であることも資料の一枚目にしか表示していなかった。
李助教は12年から同センターに所属し、植物の癒やし効果などを研究。「日本の研究成果を広く紹介したかった。引用の仕方は適切だと思っていた」と話しているという。
学会の資料を目にした千葉大関係者が13年12月、文書で告発。大学の不正行為対策委員会が元大学院生や李助教に聞き取りを行うなど調査していた。再発防止に向けて、千葉大は研究倫理教育などの取り組みを抜本的に強化して着実に実施していくとしている。