破断支柱、4月に亀裂 修理歴、事故時は否定 蓮沼海浜公園ゴンドラ落下

落下したゴンドラと同型のゴンドラを調べる国土交通省の担当者(右)ら=5月3日、山武市の蓮沼海浜公園
落下したゴンドラと同型のゴンドラを調べる国土交通省の担当者(右)ら=5月3日、山武市の蓮沼海浜公園

 千葉県立蓮沼海浜公園(山武市蓮沼)の遊具「スカイパイレーツ」で2日、つり下げ支柱が折れてゴンドラが落下し母子がけがを負った事故で、運営会社の県レクリエーション都市開発は12日、破断したつり下げ支柱について、4月に亀裂が見つかり修理していたことを明らかにした。亀裂部分と破断部分は同じ場所という。同社は事故直後の会見でこれまでの点検で異常は見つかっていなかったとしており、社内の情報管理のずさんさが浮かび上がった。今後、修理と破断の関係や修理手順が適正だったかなどを調査する。

 同社によると、亀裂が見つかったのは事故の約3週間前の4月12日。始業前の点検で、アルバイトスタッフ2人がつり下げ支柱のクランクの溶接部分に約3センチの亀裂があることを発見した。報告を受けた60代の修理担当社員はゴンドラの使用を中止するとともに、同市の製造メーカーに連絡。メーカーは同16日、独自の判断で亀裂部分の溶接や補強板の装着などの修理を行った。

 ゴンドラは同18日から利用を再開。その後の試運転や目視による点検では問題はなかったという。

 同社は事故当時、今回の修理を確認できておらず、事故原因の社内調査を進めていた今月5日になってスタッフ間の申し送り書から修理を把握。7日、県などの関係機関に報告し、8日には県警に相談した。

 同社は調査を行うまで修理を把握できていなかった理由について、メーカーから修理見積書などの提出がなく、担当社員も上司への報告を怠っていたことなどが原因と説明。担当社員は「メーカーが修理して問題ないと判断した」と話しているという。

 12日会見した同社蓮沼海浜公園管理運営部の川嶋賢一郎次長は「メーカー側はゴールデンウイークを前に遊具を止めたらまずいと思い、独自に修理したようだ。連絡体制の不備を重く受け止めている。今後、安全に関する社員教育や情報管理の徹底などを強化する」と述べた。遊具営業再開のめどは立っていないとした。

 会見に同席した県公園緑地課の高田令子課長は「徹底した安全管理が確認できるまでは再開を認められない」とコメントした。

 事故では4メートルの高さを運行していたゴンドラに乗っていた茨城県かすみがうら市の母子が地面に落下し、母親が肋骨(ろっこつ)を折り、女児もけがを負った。山武署が業務上過失傷害の疑いもあるとみて事故原因を調べている。

◆「現場で溶接、不安も」 修理のメーカー従業員
 落下したゴンドラを修理した山武市の製造メーカーの従業員男性(70)は12日、千葉日報社の取材に「珍しくない、他の業者でも行う修理」としながら、「現場で熔接作業を行ったのが不安」と漏らした。

 また「修理でなく廃棄という判断もできたが、3月に細かい点検をしており、廃棄する感覚はなかった」とし、「けがをされた方、遊具を楽しみにされている方々に申し訳ない」と謝罪した。


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