「言いっ放しはダメ!!」 選挙公約厳しくチェック 千葉県内大学生らが「公報サイト」 【ちば統一選2015】

「選挙公報ドット・コム」を運営する高野さん(前列左)と吉田さん(前列右)、小林さん=柏市内
「選挙公報ドット・コム」を運営する高野さん(前列左)と吉田さん(前列右)、小林さん=柏市内

 千葉県内在住など首都圏の大学生グループが、各選挙管理委員会が発行する選挙公報をインターネット上に保存し、常時閲覧可能にする活動に取り組んでいる。政治離れが懸念される若者に選挙への関心を高めてもらうとともに、政治家の公約や政策を検証するのが目的だ。統一地方選後半戦でも順次、各選挙公報を掲載する予定。大学生たちは政治家の「言いっ放し」に目を光らせている。

 ネットサイト「選挙公報ドット・コム」は昨夏、松戸市議の事務所でのインターンを通じて知り合った大学生14人が開設。現在は中央学院大3年の小林雅也さん(20)=白井市=や国学院大2年の高野真衣さん(19)=柏市=、同大2年の吉田ゆりさん(19)=東京都墨田区=ら7人が運営に携わっている。

 選挙公報は各候補者の経歴や公約、政治信条などが書かれ、新聞折り込みなどで配布される。多くの選挙管理委員会がホームページでも公開しているが、国の通達もあり、選挙が終わると削除するケースがほとんど。グループの調査では、選挙後も継続して掲載しているのは18自治体のみだった。

 グループは地域ごとに手分けして、各選挙管理委員会のホームページから選挙公報のデータをダウンロードしてファイル化。昨年末の衆院選までに全国の約70の選挙で公報を掲載しており、千葉県議選や千葉市議選など統一地方選前半戦の情報もアップした。

 サイトの一番の目的は「政治家の『言いっ放し』を防ぐこと」と、小林さんら3人は口をそろえる。選挙公報は各候補者が選挙で何を有権者に約束したかを示す決定的な“証拠”。3人は「当選後の活動と比較できれば、有権者にとって次の選挙で投票する際の判断材料になる。公約が実現できなかった政治家は、有権者に説明する責任がある」と指摘し、政治への関心が高まるきっかけになることを願った。

 若い世代へのアピールも期待する。県議選の選挙公報をネットで見て熟慮した上で、1票を投じた小林さんは「ネットは若者になじみが深く取っ付きやすい。どこでも、いつでも手軽に閲覧できるのも若者向け」と話した。

 「政策を箇条書きしただけの選挙公報は、あまり読む気にならない」「政治家の発言と行動が違うと、投票率は上がらない」と3人は政治家たちをチクリ。その一方で有権者の責任にも言及する。12日の県議選の投票率は37・01%で、同日実施の41道府県議選で最低。まだ選挙権を持たない高野さんは訴える。「1票で候補者の当落が変わることがあり、1票には将来がかかっている。後でこんなはずではなかったと政治家に文句を言っても始まらない。選挙に参加することから、すべてが始まるのではないでしょうか」

◆ネットサイト「選挙公報ドット・コム」のアドレスはhttp://www.senkyok.com/


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