カメラで捕捉連動確認 侵入テロ想定訓練 成田空港、導入間近「ノンストップゲート」 NAAと千葉県警

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顔認証カメラなどで特定された不審者役の男に声をかける警察官=20日、成田空港
顔認証カメラなどで特定された不審者役の男に声をかける警察官=20日、成田空港
各所に設置されたカメラの映像が集まり、空港警備の拠点となる警備消防センター=20日、成田空港
各所に設置されたカメラの映像が集まり、空港警備の拠点となる警備消防センター=20日、成田空港

 入港時の身分証確認を伴う検問を監視カメラシステムなどでの追跡に切り替える「ノンストップゲート化」が今月末に開始予定の成田空港で20日、成田国際空港会社(NAA)と県警による合同テロ対策訓練が開かれた。ノンストップ化後のゲート開放と新たな警備体制を前提に進行。爆発物を積んだ侵入車と車を乗り捨てて逃げる犯人の動きをカメラで総合的に追い、警備員や県警部隊、爆発物探知犬がその情報に連動して対処する手順を確かめた。

 同訓練は、開港以来の転換点となる新警備体制の最終的なチェックに加え、緊迫する国際テロ情勢に備える目的。NAAは関連警備会社を含めて約60人が、県警は約50人が参加した。

 国道と結ぶゲートから入ってきたトラックがいったん停止するなどの不審な動きを示し、ナンバーを記録して追跡できるカメラシステムでの監視と、警備員らによる追跡がスタート。模擬の“爆発物”を積んだトラックを実際に走らせ、乗り捨て先の駐車場では、追加導入した持ち運び式の爆発物検査装置で警備員が確認を進め、探知犬が周辺も警戒。通報を受けた県警がさらに詳しい検査を行い、爆発物処理専門の部隊や特殊車両も出動させた。

 車から旅客ターミナルに逃げた犯人役の男の動きは顔認証カメラで特定しながら追跡し、最終的に警察官や警察犬が取り押さえた。

 訓練後、NAAの夏目誠社長は「新しい警備体制の期待する能力や機能を十分確認できた。ノンストップ化で入場の快適性や利便性が向上するとともに、高度な機械警備で安全レベルは強化される」と強調した。

◆監視カメラシステム指令室で一元管理 爆発物探知犬も導入
 NAAは20日、ノンストップゲート化に伴う監視カメラシステムを一元管理する指令室と、新たに導入する爆発物探知犬の拠点を公開した。

 指令室があるのは、空港警備拠点の「警備消防センター」。車両や駅の入場ゲート、ターミナル内などに新たに設置された顔認証機能付きカメラ約190台、車のナンバーを記録するカメラ約140台からの情報が常時送られ、24時間体制でモニター監視している。

 火災や不審者発見など、異常を感知した際は警報が鳴り響き、該当したカメラの映像をモニターに表示。集められた情報は県警や警備会社と共有し、人員配置などの指示もここから行う。

 NAA専用の爆発物探知犬チームの拠点となる犬舎は新設された。昨年12月から探知犬6頭が同所で訓練を重ねており、有事の際の出動に備える。

 複数のスーツケース内に1つだけ隠された模擬爆発物を、においを頼りに捜索する訓練も公開。人の出入りが多い場所での活動が予想されるため、吠えずに動きで警備員に知らせる。

 今後はさらに探知犬の数を増やし、警備員の巡回強化と併せ、広大な空港内をカバーしていく方針。