卵子凍結保存に助成 加齢不妊回避で浦安市 順大病院と連携

  • LINEで送る

 順天堂大浦安病院(浦安市)と浦安市が、加齢による不妊を避ける目的で健康な女性が自分の卵子を凍結保存する「プリンセス・バンク(仮称)」構想を進めていることが5日、分かった。

 市は少子化対策の一環として市民を対象に凍結保存費用を助成することなどを計画している。

 日本生殖医学会は2013年、がんなどの医学的理由と、加齢など社会的理由による卵子、卵巣の凍結保存を容認するガイドラインを決定。凍結保存を手掛ける施設は複数あるが、大学病院と自治体が連携して実施するのは初めてとみられる。

 構想では、将来の出産に備えたい20~35歳の健康な女性の卵子を凍結保存する。ほかに、がんが見つかった女性が、抗がん剤治療による副作用で不妊になるのを避けるために凍結するケースも想定している。

 晩婚、晩産化が進み、加齢によって妊娠が難しくなる「卵子の老化」現象も知られるようになった。卵子凍結保存はこれを避けるためだが、一方で出産の先送りにつながるとの懸念も指摘される。

 順天堂大浦安病院の菊地盤先任准教授は「早く妊娠、出産するメリットを知って自分の『産み時』を真剣に考えてもらうと同時に、現在、将来の妊娠に不安を感じている20~30代の女性に卵子凍結という選択肢もあるということを示したい」としている。

 ◇卵子凍結保存 排卵誘発剤などで卵巣を刺激し、採取した卵子を零下196度の液体窒素の中で凍らせ保存する。解凍すれば体外受精が可能で、受精卵を子宮に戻し妊娠、出産を目指すことができる。もともとは、がんの放射線療法などの後に妊娠の可能性を残したい患者を対象に進められてきた。卵子は細胞膜が弱く、凍らせると染色体が損傷する恐れがあり、精子や受精卵の凍結に比べて難しかったが、技術の改良で可能になった。近年、凍結保存期間が10年以上の卵子で出産に至る例も報告されている。