酵母の分類で遺伝子を特定 医療分野にも期待 千葉大真菌医学研究センター・清水助教

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担子菌の反応を確認する清水助教=千葉市中央区の千葉大学真菌医学研究センター

 千葉大真菌医学研究センター(千葉市)の清水公徳助教(43)ら7人の共同研究チームが真菌酵母の分類に関わる遺伝子を発見し、成果が国際学術誌「ファンガル・ジェネティクス・アンド・バイオロジー」の電子版に6月1日付で掲載された。今回の発見で真菌酵母の構造の一部が明らかになり、医療分野への貢献も期待できる。

 真菌酵母は、担子菌と子嚢(のう)菌に分類され、染色試薬・ジアゾ安息香酸をかけると赤く染まる変色反応の有無で区別している。真菌研究界では基本的な手法だが、変色の原因遺伝子が特定されていなかった。

 清水助教らのチームは、担子菌の一つ「クリプトコックス・ネオフォルマンス」のコロニー(集団)を約1万個培養。それぞれに異なる遺伝子変異処理を加えた上で染色実験を繰り返し、変色反応が見られなかった2個のコロニーのゲノムを解析したところ、染色の役割を担う遺伝子「PMT2遺伝子」が見つかった。

 清水助教が実験を始めたのは2009年。4年間かけて論文をまとめ、同誌に投稿した。真菌界はキノコやカビ、酵母などが含まれる生物グループ。現在約150万種以上が確認されているが、進化や分化過程には謎が多い。今回の発見は、担子菌と子嚢菌の根本的な違いを解明する糸口になる。

 清水助教は「酵母には発酵食品の製造に欠かせないものから、恐ろしい病原体まで含まれるが、酵母と上手に付き合う方策を提案する方向で研究を進めていきたい」と今後の展望を語った。