天然記念物ミヤコタナゴ無許可飼育 容疑の愛好家3人送検 千葉県警

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ミヤコタナゴ(県生物多様性センター提供)
ミヤコタナゴ(県生物多様性センター提供)

 絶滅の恐れがある天然記念物の淡水魚「ミヤコタナゴ」を無許可で譲渡、飼育したとして、千葉県警生活経済課と印西署などは20日、種の保存法違反や文化財保護法違反の疑いで鎌ケ谷市の会社員(65)ら男3人を千葉地検に書類送致した。

 他に書類送検されたのは成田市の無職男(69)と富里市の自営業の男(58)。

 会社員の男の書類送検容疑は、2012年8月ごろ、白井市内にある勤務先の会社事務所で、国の許可を受けずにミヤコタナゴを譲り受けた上、同所で飼育した疑い。無職の男は会社員の男に無償でミヤコタナゴを譲渡し、自営業の男は無許可で飼育した疑いが持たれている。3人とも「飼育に許可が必要なことは知っていた」などと供述し、容疑を認めている。

 同課によると、会社員の男は繁殖に成功。飼育していた104匹のうちの64匹は稚魚で、「色がきれいで珍しく、たくさん生まれて楽しかった」と供述している。自営業の男は「約50年前に富里市内の川で捕獲した。許可が出ないので、黙って飼育して繁殖させていた」と説明しているという。

 5月、県に匿名の情報提供があり、県警が調べていた。

◆自然繁殖は千葉、栃木のみ
 県生物多様性センターによると、ミヤコタナゴは湧き水のある小川や水田などに生息するが、近年は河川整備や休耕田の増加などで激減。1974年に国の天然記念物、94年には国内希少野生動植物種に指定された。自然繁殖が現在確認されているのは、県南部と栃木県の一部のみとされる。

 県は国からの委託を受け、自治体とともに保護活動を実施。ミヤコタナゴは二枚貝の中に産卵する習性があり、両者にとって暮らしやすい幅広い環境整備が必要になる。同センターの熊谷宏尚主幹(56)は「密漁する不届きな人もいると聞く。日本の固有種で文化財に指定されており、大事な宝物。自然の中できちんと保護してあげなければならない」と話している。