手術直後に3人死亡 同一医師執刀、県が調査へ 千葉県がんセンター

  • LINEで送る

 千葉県は22日、同県がんセンター(千葉市中央区)で2012年以降、同一の医師による腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた患者3人が術後間もなく死亡していたことを明らかにした。うち2人について、センターの医療事故調査委員会は執刀医から患者への事前説明が不十分だったなどと指摘。県は「同じ手術で短期間に死亡が続いたことを重く受け止める」などとして外部有識者による検証委員会を設け、詳しい経緯や原因を調べる。

 県病院局によると、12年9月25日に手術を受けた76歳女性が同日中に、昨年1月22日に受けた57歳男性が翌日に死亡。2人はいずれも膵臓(すいぞう)がんで腹腔鏡を使い膵臓の一部などを切除した。さらに、今年2月14日、腹腔鏡で胆管などを切除した80歳男性が同月28日に亡くなった。3件とも執刀したのは、消化器外科のベテランで指導的立場にある男性医師だった。

 センターは膵臓がん患者2人の死亡を受け、昨年5月と同年6月に医療事故調査委員会を開催。同年8月にまとめた報告書は、新しい手術方法についてメリットやデメリットなど患者への事前説明の記録が十分でなく、院内の倫理委員会の承認も受けていなかったなど問題点を指摘したが、「必ずしも医療過誤とは言い切れない」と結論づけた。医師は患者側に十分事前説明したと主張したという。

 80歳男性についても、内部の緊急対策会議は「過誤はない」と判断したが、県病院局は一連の死亡例について「県民に安全で安心できる医療を提供する観点から、院内ではなく第三者による検証を行うべき」として、来月中にも検証委を立ち上げることを決めた。センターは現在、膵臓と胆管関連で腹腔鏡下手術の実施を見合わせている。

 手術は3件とも保険が適用されたが、一部は適用外との疑義も出ており、県は検証委で詳しく調査するとしている。

 県の第三者委員会で検証が進められることについて、県がんセンターの江指純事務局長は取材に「非常にいいことだと思う。事実を正確に積み上げていくことが重要であり、全面的に調査に協力する」と述べた。