生活保護880万円着服 成田市、係長を懲戒免

 成田市は19日、水増し計上などの手口で約3年半にわたり生活保護費計約880万円を着服したとして、社会福祉課の柘植宗臣係長(49)を18日付で懲戒免職処分にしたと発表した。柘植元係長は生活保護が打ち切りや減額になったケースを上司らに報告せず、従来通りの金額を市に支出させて差額を横領したり、返金された保護費を市に戻さなかったという。市は業務上横領容疑などで千葉県警に刑事告訴する方針。

 市によると、柘植元係長は同課で生活保護業務を担当していた2010年5月~今年1月に10世帯分のケースで不正処理を行い、市から保護費を着服した。事務処理の手続きで正規の決裁を省いて経理の担当部署に出金させたり、記録が残りにくい「窓口払い」を悪用していたという。生活保護世帯そのものには被害はなかったという。

 柘植元係長は「着服金はすべて生活費に充てた」と認めているが、詳しい使途は説明していないという。

 柘植元係長は1995~99年にもケースワーカーとして生活保護事務を行っており、支給の仕組みを熟知していたとみられる。2011年4月から生活保護世帯を直接担当するケースワーカーからは外れ、ケースワーカーを監督する立場の「査察指導員」専任となったが、不正処理したケースは「対応困難な事例」と部下に告げ、引き続き直接担当を続けていた。自身の担当への査察役も務め、柘植元係長の操作を事実上、誰もチェックしていない状態だったという。

 昨年7月、別の職員が対象から外れた世帯に保護費が支給されていることに気付くなどして、市が内部調査を開始。診断書を偽造作成して不正に計26日の病気休暇を取得していたことも判明した。

 記者会見した小泉一成市長は「悪質な事件が発生し深くおわびする。再発防止策を講じる」と陳謝。市は管理態勢の見直しや同僚への聴き取り調査も進める。


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