
松戸市は19日、同市東松戸の小規模保育事業所「コモレビ・ナーサリー」で、女性保育士3人が園児の頭をたたくなどの不適切な保育行為を行っていたと発表した。市は同日、施設を運営する社会福祉法人「菊光会」(同市仲井町)を行政指導した。市は松戸署にも相談しており、同署は捜査している。
市によると、不適切な保育行為は10月3、5日にあった。女性保育士(31)は女児とおもちゃの取り合いをしていた男児の頭をプラスチック製の弁当容器でたたき、指2本で頬を押し上げた他、泣いていた女児をトイレに1人で約5分間放置した。
別の女性保育士(30)は食事中にうとうとしていた園児の額をたたき、44歳の保育士は指で7度にわたり男児のこめかみを小突くなど、3人で計10件の不適切な保育が確認された。園児にけがはなかった。
9月に匿名の元保育士から市に通報があった。市の監査に法人側は当初、「不適切保育はない」としていたが、市が提出させた防犯カメラの映像を調べ、不適切保育を確認した。法人側も「不適切」と認めたという。
同法人の佐々木翠理事長は、市を通じて「保護者の皆さまと児童に対し申し訳なく深く反省している。保育内容の可視化を図っていく」とのコメントを出した。20日夜、臨時の保護者会を開き状況を説明するとしている。
同法人は市内で同事業所を含む小規模保育事業所2カ所、認可保育園1カ所、幼保連携型認定こども園1カ所を運営。市川市でも認可保育園1カ所を運営している。
同法人が松戸市内で運営する4施設で、運営費や補助金計約1200万円の不正受給があったことも判明。退職した職員分を含んだ補助金を申請するなどして、2021年度分で国と県、市の補助金などを不正に受給していた。3月に当時勤務していた保育士から通報があり、市が調べていた。
市は21日、市内の保育施設を対象に不適切な保育内容についての研修会を行うとしている。