館山ファミリーパーク閉園 44年間ありがとう 思い出詰まった"花の楽園" 最終日に2000人

見頃のナデシコや巨大サンドアートを楽しむ来園客。最終日は約2千人が訪れた=31日、館山市の館山ファミリーパーク
見頃のナデシコや巨大サンドアートを楽しむ来園客。最終日は約2千人が訪れた=31日、館山市の館山ファミリーパーク
44年の歴史に幕を閉じた館山ファミリーパーク=館山市
44年の歴史に幕を閉じた館山ファミリーパーク=館山市

 約100万本のポピーや巨大砂像(サンドアート)が楽しめる館山市の観光施設「館山ファミリーパーク」が31日、閉園した。最終日は県内外から家族連れら約2千人が来場。「ありがとう」「楽しかった」と、家族や友人との数々の思い出が詰まった"花の楽園"に別れを告げた。

 同施設は1977年、太平洋に面した平砂浦海岸にオープン。関東最大級の規模を誇るポピー畑に加え、釣りやパターゴルフも楽しむことができ、近年は県内外から年間約10万人の観光客が訪れていた。

 しかし、2019年9月の房総半島台風で切り花ハウスの倒壊や一部のサンドアートが崩れる被害が発生。昨年2月ごろからは新型コロナの感染拡大などでバスツアー客が激減し、20年度の来園者数は前年比42%と落ち込んでいた。

 閉園前最後の日曜日となった30日には、館山市民をはじめ多くの家族連れがパターゴルフや釣りを満喫。最終日は来園客全員に350円分の花を摘み取れるチケットが配られ、子どもたちがうれしそうに見頃のナデシコやキンギョソウなどを集めていた。

 同施設を頻繁に利用していた来園客からは、突然の閉園を悲しむ声も聞かれた。開園当初から子どもと遊びに来ていたという金子千恵子さん(69)は「ポピーがきれいだったのが印象に残っている。(閉園は)さみしい」。運動会の代休を使って家族で訪れたという横浜市のパートの女性(46)は「子どもが赤ちゃんの時から1年に1回、ポピーの季節に来ていた。最終日はすごいにぎわいでびっくり。みんな、同じ気持ちなのかな」と残念がった。

 閉園時間を過ぎた午後4時20分ごろ、最後の客が施設を出ると、閉園を知らせるポスターが本館入り口に張られた。上條長永社長(51)は「仙台からわざわざ来た人やこの園でプロポーズをされた人、いろんな方が見えた。非常に心苦しいが、5月31日をもって館山ファミリーパークを閉園させていただく」とあいさつ。跡地活用については未定としつつも「サンドアートは残すつもり。花の維持や従業員の100%移行を条件に、次の事業者を精査していきたい」と話した。


  • 見頃を迎えたナデシコを摘み取る親子連れ。最終日は約2千人が訪れ、別れを惜しんだ=31日、館山市の館山ファミリーパーク
  • 閉園直前に入園口で記念写真を撮る来園客=31日、館山市の館山ファミリーパーク
  • 閉園を知らせる掲示物の前でお辞儀をする上條社長(左)=31日、館山市の館山ファミリーパーク
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