「3・11後の生き方指針に」 季刊文芸雑誌を創刊 市川の菊谷さん

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文芸雑誌「Kototoi」を創刊した菊谷さん
文芸雑誌「Kototoi」を創刊した菊谷さん

 市川市福栄のフリー編集者、菊谷倫彦さん(34)が出版社「菊谷文庫」を立ち上げ、季刊の文芸雑誌「Kototoi(こととい)」を創刊した。創刊号の執筆陣は詩人で思想家の吉本隆明さんや芥川賞作家の玄侑宗久さんら豪華な顔触れ。菊谷さんは「3・11以降、新しい生き方を探している人の指針になるような雑誌にしたい」と願い、早くも第2号の準備を進める。

 出版社を退職後、フリーの編集者として活動していた菊谷さんに、雑誌発刊を決意させたのが3月11日の東日本大震災だ。「私たちは便利さと引き換えに詩を失っていた。精神的な復興には詩を取り戻さなければならない。今こそやるときだと思った」

 出版社時代に担当した吉本さんをはじめ、交遊があった詩人の井坂洋子さんやミュージシャンの友川カズキさんらに執筆を依頼。玄侑さんらにも原稿を頼んだ結果、菊谷さん自身の創刊の辞も含めて詩やエッセー、論説など計9編が集まった。吉本さんはインタビュー形式で詩についての論考を、福島県在住の玄侑さんは脱成長社会に向けたエッセーを寄せた。

 「生き方の根本に信念がある人に執筆をお願いした」と菊谷さん。「自分と向き合う。人間関係を大切にする。小さな生き方を大事にする」ことを念頭に編集に当たったという。

 創刊号(A5判)は1850円(税込み)。「読者と顔の見える関係を大事に」と直販を原則にしている。問い合わせは菊谷さん、電話047(710)9248。