ローマ教皇の昼食会担当 被災地の食材で「応援」 佐倉のイタリア料理店

ローマ教皇フランシスコと握手であいさつするオーナーの萩原さん=25日、東京都千代田区のローマ法王庁大使館(オリベート提供)
ローマ教皇フランシスコと握手であいさつするオーナーの萩原さん=25日、東京都千代田区のローマ法王庁大使館(オリベート提供)
「被災地を応援したい」と食材には千葉県内産の野菜を取り入れた
「被災地を応援したい」と食材には千葉県内産の野菜を取り入れた

 核兵器廃絶に向けたメッセージを発信し訪日を終えたローマ教皇(法王)フランシスコ(82)。25日、都内のバチカンの大使館に教皇を迎えて行われた昼食会では佐倉市のイタリア料理店「オリベート」が料理を担当した。10月の記録的豪雨で被災した千葉を応援しようと、地元食材を取り入れたメニューで教皇をもてなした。大役を果たしたオーナーの萩原勇作さん(43)は「被災した農家を元気にし、応援できるメニューになった」と笑顔を見せた。

(佐倉支局・馬場秀幸)

 2003年のオープン以来、千葉・茨城など12店舗に事業を拡大。4年前、自家製パンが関係者の目に留まったことがきっかけで大使館での晩さん会の料理を何度か手掛けてきた。

 昼食会のオファーを受けたのは1カ月前。最初は「こんな地域のレストランでいいのか」と迷ったが、地元佐倉も甚大な被害を受けた豪雨の直後だったこともあり、「何とか千葉を元気にしたい。千葉の底力を教皇にお伝えしたい」と引き受けた。

 コース料理のテーマは『日本の魅力と千葉を元気に』。「鮮度や味に問題がないのに市場に卸せなくなった県内産の食材を中心に使うことで、生産者も応援するメニューになれば」。萩原さんは食材探しに奔走し、酪農組合、牧場などの協力で食材を手に入れた。

 『日本の伝統』と銘打ったオードブルは、大使館側からリクエストされたすしの盛り合わせとおにぎり。「教皇は庶民出身と聞いているので、おにぎりの具材には梅干しも入れた」とのエピソードも。

 コースには、県産野菜と牛肉を使ったパスタのほか、『房総の祝菜』と題したメインは、桜の木片でスモークした牛ヒレ肉の炭火ロースト、バルサミコソースであえたニンジンと地元特産の落花生を添えた。

 シェフ歴30年、同店総料理長の鈴木克美さん(50)も「料理人にとって最高のチャンス。教皇にとって忘れられない味になっていただけたらうれしい」と話した。

 その期待通り、「教皇は『料理をありがとう』とおっしゃってくれた」と萩原さん。「高級店ではない、カジュアルな店だが、日本の底力を示せたと思う。被災した農家を元気にし、応援できるメニューになった」と大仕事を無事終え、顔をほころばせた。


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