大雨警戒レベル初適用 「全員避難」も実際は1世帯 いすみ

  • LINEで送る

 大雨時の防災情報を発表する際に5段階の「警戒レベル」も伝える新制度が始まった中、いすみ市は河川の水位上昇で10日夜に発令した避難勧告に併せ、上から2番目の「警戒レベル4」を発表した。警戒レベルの適用は県内初。レベル4は「全員避難」が基本だが、対象114世帯のうち実際に避難したのは1世帯で、制度の周知が課題となる。

 警戒レベルは昨年7月の西日本豪雨などの教訓を踏まえ、住民が取るべき行動を分かりやすくする狙いで設けられ、今年3月に国が避難勧告などの指針を改定して自治体にも示した。運用は5月29日に始まったばかり。

 千葉県や同市によると、大雨の影響で、市内を流れる落合川の水位が上昇し、氾濫の危険性が高まったとして市は10日午後9時前に避難勧告を発令した。佐室地区の114世帯計262人を対象に、全戸配置済みの防災無線などで警戒レベル情報を併せて発信し、青年館に避難所を開設した。11日午前1時に勧告を解除した。

 ただ、避難したのは1世帯3人にとどまった。同地区に住む男性(79)は「1971年の大雨被害後に河川改修が行われて以降、大雨でも氾濫していないから避難しなかった」と話す。

 避難者の少なさについて、県担当者は「避難がかえって危険な場合や、建物の2階に逃げれば済む場合もある」としつつ「レベル4は全員避難が基本だと理解されるよう、周知に努める」。市担当者も「市民に十分に周知して今後の雨に備えたい」とコメントした。