第二海堡の上陸好評 3月以降に本格ツアー 文化・観光振興に期待 富津沖の要塞島

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東京湾に浮かぶ第二海堡の砲台跡を見学する試験ツアー参加者=10月17日、富津市
東京湾に浮かぶ第二海堡の砲台跡を見学する試験ツアー参加者=10月17日、富津市
上陸する定期ツアーが来年3月以降、本格的に始まることが決まった東京湾・富津沖の人工要塞島・第二海堡(共同通信社ヘリから)=2015年8月11日撮影
上陸する定期ツアーが来年3月以降、本格的に始まることが決まった東京湾・富津沖の人工要塞島・第二海堡(共同通信社ヘリから)=2015年8月11日撮影

 富津岬沖合の人工要塞(ようさい)島・第二海堡(富津市)に上陸する定期的なツアーが来年3月以降、本格的に始まることが、国土交通省や関係機関でつくる第二海堡上陸ツーリズム推進協議会で決まった。8~11月に実施した試験ツアーが好評だったためで、地元の富津市は、富津により近い第一海堡や富津岬に残る戦争遺産を含めた文化・観光振興に期待を寄せている。

(かずさ支局長・武内博志)

 普段は立ち入り禁止の第二海堡に上陸するツアーは、公的施設を観光に生かす政府施策の一環として試験的に実施された。同協議会の公募に応じた民間5社が8~11月に31回のツアーを組んだ。

 協議会によると、強風などの影響で9回が中止となり、催行率は71%。ツアー申し込み1768人のうち、1024人が上陸した。

 12日に横浜市内で開かれた協議会では、ツアーを実施した各社が「満足度が非常に高く、『次はいつ』との問い合わせがある」「(本格ツアーに向け)前向きに取り組んでいきたい」と好感触ぶりを報告。安全性に大きな問題がなかったことも踏まえ、協議会は来年3月以降の本格ツアー実施を決めた。

 協議会は、関係機関との調整役やツアーの窓口となる事業者または団体を来年1月下旬から募集し、連携協定を結んだ上で本格ツアーを始める方針だ。ツアーは通年を想定するが、強風や波高の影響で上陸は4~6月、10~11月が適しているという。

 実施された22回の試験ツアーでは、富津市側から出港したのは1回で、他は全て横須賀市の港が拠点となった。協議会に加わる富津市は、本格ツアーの開催に際し、第一海堡や富津岬に残る砲台跡など市内の歴史遺産を含めて観光に利活用してほしいと改めて要望。特に第一海堡は、第二海堡より遺構の残存度が良いが老朽化が進んでおり、整備と保存を望む市民の強い意見があると伝えた。

 国交省関東地方整備局は「我々としても広域的な観光連携の方向で検討したい」と答えた。

◇海堡(かいほう)

 首都防衛のため明治から大正にかけて東京湾の入り口に建造された人工島。富津岬の沖合約1.5キロにある第一海堡は1890年に、その約2.5キロ西の第二海堡は1914年に完成した。いずれも立ち入り禁止だが、国土交通省が管理する第二は海上防災訓練施設があり、護岸整備などが進む。財務省管理の第一は老朽化が進み、具体的な活用策が講じられていない。いずれも多くの富津住民が築造に携わり、富津市には東京湾海堡ファンクラブがある。