地下駅は本八幡(都営新宿線)のみ 千葉県の地下鉄 【千葉地理学会連載 おもしろ半島ちばの地理再発見】

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千葉県内区間で唯一、地下を走る新宿線
千葉県内区間で唯一、地下を走る新宿線

 千葉県には、地下鉄の地下駅がいくつあるでしょうか。実は、都営新宿線の本八幡駅だけなのです。

 2017(平成29)年は、日本に初の地下鉄として現在の銀座線の浅草~上野間が開業してから90周年でした。その後、東京はもちろん、日本各地の大都市に地下鉄が建設されていきました。現在では政令指定都市20市のうち7市で地下鉄が営業しています。

 東京には郊外の隣接県も含め、多くの地下鉄網が張り巡らされています。このうち、東京メトロは9路線で195・1キロ。都営地下鉄は4路線で109キロあり、合計300キロを超えています。横浜にも2路線で総延長53・4キロの地下鉄があります。

 千葉県で地下鉄が通っているのは、東京メトロ東西線と都営地下鉄新宿線だけですが、東西線は東陽町以西で地下に入るまで地上部分を走っているので、西船橋~浦安の千葉県内の6駅は全て地上駅です。

 逆に、つくばエクスプレス線の南流山駅のように、路線は地下鉄とは扱われていないものの、実際には地下にある駅や区間もあります。西船橋で東西線にも乗り入れている東葉高速線は、地下部分を走る区間が全体の25%を占めますが、地下鉄としては扱われていません。成田空港手前のJR線、京成線も同様です。

 したがって、地下鉄として地下を県内で走っているのはただ一つ、都営地下鉄新宿線ということになります。この線は1989(平成元)年に本八幡まで開業した路線です。都営地下鉄本八幡駅は、京成線の八幡駅とJR総武線の本八幡駅を結ぶ地下連絡通路の間にあります。本八幡駅は都営線の東端にある駅としてだけでなく、都営線で唯一都外にある駅でもあります。

 本八幡駅を出発すると、すぐに江戸川の下を通って次の駅はもう東京都江戸川区の篠崎駅です。地下を走る地下鉄部分としては日中に急行運転もなされ、新宿駅まで最速29分で結んでおり、京王線にも乗り入れています。かつては東武線の新鎌ケ谷方面まで延伸する計画もありましたが、2013(平成25)年に計画中止となりました。

 なお、今年4月28日から都営新宿線としては初めてになるホームドアが本八幡駅に設置され、今後新宿線の全21駅に設定する予定です。

 「地下鉄は大都市の証」という考えもあるでしょうが、過密化で鉄道の地上敷設が困難なために経費がかかるものの地下に建設されたと考えることもできます。

 需要との関係もありますが、政令指定都市である千葉市の場合は、地下鉄ではなくモノレールが建設されました。また、太田川の三角州に市街地が広がる広島市は、路面電車が発達していたことと、三角州のため地盤が弱いことなどもあって、地下鉄はありません。こう考えると千葉県には今後も地下鉄は建設されそうにない。

 それぞれの都市や地域に見合った鉄道交通は何かと考えてみると、地域性や他地域とのつながりが見えてくるかも知れません。

(県立長生高校・関信夫)