千葉県内リレーのように 9月の神輿祭 【千葉地理学会連載 おもしろ半島ちばの地理再発見】

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上総十二社祭り(写真出典:千葉県ホームページ)
上総十二社祭り(写真出典:千葉県ホームページ)
勝浦大漁祭り「神輿の船渡し」(写真出典:千葉県ホームページ)
勝浦大漁祭り「神輿の船渡し」(写真出典:千葉県ホームページ)

 年間を通して各地で様々な祭りが行われます。千葉県内でも、昔から地域住民のよりどころとなっている祭りが多くあります。ここでは、近接地域で9月にリレーのように連続して行われる勇壮な神輿(みこし)祭を紹介します。

 上総十二社祭りは「上総の裸祭り」といわれ、1200年以上の歴史を持つ県内最古の浜降り神事です。9月8日の鵜羽神社(睦沢町)での神事から始まります。10日、鵜羽神社から出た神輿が玉前神社(一宮町)の玉依姫命を訪ね、1年1度の逢瀬の契りを結ぶ神事、続いて生まれた神々を鵜羽神社の井戸に流す神事が行われます。13日、御幣を乗せた神馬などの後ろに近隣市町村から集まった神輿が連なり、釣ケ崎(一宮町)の祭典場まで走り抜けます。九十九里浜の波打ち際を走った神輿は再会を喜び、またそれぞれの神社へ祭神を乗せて帰っていきます。

 勝浦大漁祭り(勝浦市)は、各地区の個別の祭りを1979(昭和54)年から合同祭としたもので、今年は9月14~17日に行われます。1日目は各地区内で神輿が回ります。2日目は合同祭典で、墨名市営駐車場に神輿や山車・屋台が集合し、各地区の神輿と唄の披露など行われます。3日目は勝浦・出水地区の屋台の街中引き回しです。4日目は神輿の船渡しです。

 浜勝地区の神輿が勝浦漁港に入り、接岸し並んだ船上を渡した後、船は港内を回り、沖の平島まで行きます。戻ってきた神輿は遠見岬神社まで練り歩き、それを屋台が迎えます。

 大原はだか祭り(いすみ市)は江戸時代からの祭ですが、平安時代末期からの伝承もあるそうです。9月23日、大原・東海・浪花地区18社の神輿が大原漁港に集まり、五穀豊穣(ほうじょう)・大漁祈願をした後、大原海水浴場に移動し、海に入って神輿をもみ合う「汐ふみ」を行います。

 その後、神輿は大原中央商店街に移動し、唄いはやしもみ合いながら「大別れ式」会場の大原小学校に向かいます。校庭では、神輿は競うように駆け巡り高々と上げられ、提灯(ちょうちん)に明かりが入ると、別れを惜しむ唄が何度もうたわれます。その後神輿は商店街に再度繰り出し、夜遅くまで練り歩きます。24日は各地区の行事の後、また商店街に集合して前日同様の大別れ式に臨みます。

 長者・中根十三社祭り(いすみ市)は長者・中根両地区の合同祭で、9月25日に行われます。中根六社祭りは押日八幡神社に6基の神輿が集まり、4段の神事を行います。その一つ「親の日だ(おおやのへいだ)」は「上総の奇祭」といわれます。

 人々が肩を組み3~4層の櫓を築き、一番上の者が扇を開き「おおやのへいだ」と叫びます。櫓が崩れ落ちても立ち上がり、一斉にはやし立て、また次の組が櫓をつくるというものです。その後、神輿は長者の天神社に向かいます。一方の長者地区では各社の神輿が長者小学校から街中を練り歩き天神社に向かいます。天神社に集結した神輿は、提灯に灯を入れ、揃っていすみ市岬運動場に移動して、大別れ式を行います。

 どの祭りも、地域の人々にとって「生活の一部」ともいえる、かけがえのないものになっています。

(横芝小学校長 佐瀬一生)