“カリスマ”喪失危惧 地元関係者「流儀受け継ぐ」 いすみ鉄道社長退任表明

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いすみ鉄道の本社がある大多喜駅。地域の足で観光客を集めるローカル線の活性化は次期社長の手腕に委ねられる=17日、大多喜町
いすみ鉄道の本社がある大多喜駅。地域の足で観光客を集めるローカル線の活性化は次期社長の手腕に委ねられる=17日、大多喜町

 いすみ鉄道(大多喜町)の鳥塚亮社長(57)が任期満了に伴い今期限りでの退任を表明したのを受け、関係者は17日、「鉄道が存続し地域に観光客が増え、活性化につながった」と功績をたたえた。一方で「カリスマ社長がいなくなる」と危機感をあらわにし、「今後はわれわれが頑張り、地域を潤さなければ」と気を引き締めた。

 市民ボランティア団体「いすみ鉄道応援団」は、鳥塚社長が公募で就任した2009年に結成された。掛須保之団長(56)は「鉄道を広告塔に観光客を呼び込む」という取り組みに共感し先頭に立った。土日祝日には国吉駅で団員と一緒に弁当やポップコーンを販売し乗客をもてなす。「全国区の知名度のローカル線になった。10年前のような経営危機は二度とごめんだ」と語気を強める。「鳥塚社長が観光客増加に向けた種をまいた。流儀を継承していきたい」と今後も活動を拡大していく考え。

 いすみ市の太田洋市長は09年、公募に申し込んだ鳥塚社長との面接に臨んだ。「企画力、バイタリティー、PR力。どれをとってもピカイチ。満点だった」。期待通りの働きぶりに「9年間の努力で鉄道はもとより、沿線の活性化に寄与してくれた」と評価し、突然の退任表明に「とても残念」と声を落とした。さらに「カリスマ社長がいなくなる。鉄道活性化の役割は夷隅地域2市2町に渡された」と述べ、集客面で支援していく方針を示した。

 大多喜町の鈴木朋美副町長も、知名度アップに貢献したことに感謝。一方、「公募社長本来の目的である運行面の黒字化が実現できず残念」と話した。

◆後任は株主総会後

 第三セクターのいすみ鉄道に出資する県によると、鳥塚社長の任期は6月末までで、後任人事は取締役会と株主総会を経て決めていくという。交通計画課の担当者は「任期満了で辞めるので意思を尊重したい」とコメントした。