国際的な資源管理を サンマ不漁、初水揚げ遅れ 銚子 【回顧2017年 取材メモから】

  • LINEで送る

銚子漁港に初水揚げされたサンマ=10月6日、銚子市

 全国でサンマの記録的不漁が話題となった年だった。銚子漁港(銚子市)では、初水揚げが過去20年で最も遅くなり、10月の水揚げ量は前年の1割にも満たないという異例の事態。漁獲量は毎年大きく変動するが、秋の味覚を代表する魚の将来に不安を覚えた。

 10月6日、待ち望んだ“秋の風物詩”が同漁港にようやく届いた。通常の初水揚げは8、9月で、過去20年間で10月にずれ込んだのは2013年の1度だけ。運んできた漁船の経営者は不漁のためまとまった量が確保できなかったことや、漁場に近かった北海道、東北地方で高値が続いたことを遅れの要因として指摘。「今年はどこに行っても魚群が薄い」と嘆いていた。

 全国さんま棒受網漁協のまとめによると、11月末までの水揚げ量(全国)は約7万3900トン。前年同期(約10万8500トン)より3割ほど落ち込んだ。

 市漁協によると、10月のサンマ漁獲量(166トン)は、前年同期のわずか5%程度にとどまった。漁場が近づいた11月は前年を2千トンほど上回ったが、通年では低調だった一昨年を下回る見通し。同漁協の担当者は「銚子では後半に回復したが、全国的には大変な不漁で、魚も小ぶりだった」と説明。「銚子の漁師や水産加工業者はサンマばかりを取り扱っているわけではないので限定的だが、影響は避けられない」とした。

 実際、サンマ不漁などの影響を受けて、今月には福島県の魚類買付販売業者が破産を申請している。

 来遊量減少にはさまざまな要因が考えられるが、外国船による公海での漁獲が影響しているとの見方もある。千葉県水産総合研究センターの担当者は「資源量全体が減少している。公海での無秩序な操業は、将来的に資源量減少につながるとも考えられる」と指摘した。

 7月の北太平洋漁業委員会で日本は、国・地域別漁獲枠の新設を求めた。日本の規制を比較的緩やかにし、近年台頭してきた中国、台湾に制約を課す提案に調整は難航。合意に至らなかった。銚子で初水揚げした漁船の経営者は「各国の割り当てを早く決めてほしい」と話した。

 古典落語「目黒のさんま」でお殿様が食したともいわれる本県のサンマ。歴史ある庶民の食文化を末永く継続させるために、国際的な資源管理に向けて、関係者の本気度も問われている。

(銚子・海匝支局 田村理)