“廃虚”の病院解体へ 旧市立、10年以上も放置 跡地を道路代替地に 利活用巡り千葉大と協議

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10年以上も放置され、解体に向けた準備が始まった旧市立病院=千葉市中央区矢作町
拡幅工事を計画する千葉大学亥鼻キャンパス前の市道。道幅が狭く、事故が多発している=千葉市中央区亥鼻

 10年以上も放置され「住宅街にある“廃虚”」とも言われている千葉市中央区矢作町の旧市立病院が、解体に向けようやく動き出した。近くの千葉大学亥鼻キャンパス前の道路拡幅工事に伴う代替地として更地にする予定で、市が敷地の一部を譲渡することで千葉大と協議を始めた。病院跡地の利活用と道路拡幅は長年の市政課題になっており、順調にいけば二つの課題が一挙に解消されることになる。

 (千葉市政部・伊藤義治)

◆土壌から化学物質

 旧市立病院は敷地約1万2千平方メートル、病棟は鉄筋コンクリート造り4階建て(延べ床面積約1万2千平方メートル)。市立青葉病院の開院に伴い2003年に閉院し、その後2~3年は障害者福祉施設として利用された。以降、建物は使われなくなり放置された状態。敷地の空きスペースは青葉病院の職員が駐車場として使用している。

 また、11年から行われた敷地内の土壌・測量調査で、環境基準値を超えるフッ素とフッ素化合物が検出された。原因は不明。地下水など周辺への影響は出ていないが、建物解体時には土壌改良が必要になり、市は解体設計・工事に4億円、汚染土壌除去に2億5千万円の経費を試算する。

◆道路狭く事故多発

 拡幅を計画する道路は、市道中央星久喜町線の矢作トンネル東-郷土博物館入り口までの区間約820メートル。現在7メートルの同キャンパス前の道幅を大学側へ5メートルほど広げる。概算事業費は約18億円。工事に必要な測量作業に入っている。

 同区間は小学校の通学路になっているが、歩道もない狭い道路で路線バスがすれ違うのがやっと。事故が多発しており、何年も前から地元住民が道路拡幅を要望していた。かつてモノレールの延伸に合わせて工事が検討されたが、延伸の凍結で頓挫した。

◆他より優先度高く

 市は15年に各部署から病院跡地利活用の意見を集め、道路代替地にすることを決定。昨年、大学側へ提案し了承を得た。代替地面積は敷地の半分程度の6千平方メートルを見込み、具体的な利活用方法は大学と市が相談して決める。残り部分は引き続き青葉病院の駐車場にする。

 病院跡地を巡っては、地元住民から廃虚化した病棟に対して景観上の問題を指摘する声も上がり、福祉施設や保育所、コミュニティー施設への建て替えを市に要望していた。

 跡地を代替地とすることに市病院局経営企画課は「他の要望よりも緊急性や必要性が高いと判断した」。市道路計画課は「工事を始めるにはあと1、2年はかかるのでは」との見通しを示している。