「婚活サイト」開設へ 嫁不足に悩む農家も支援 大手証券から転職 岩立友紀子さん(29) 【ちば農の人】(下)

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農業を営む夫・昌之さんと笑顔で話す岩立さん(左)=柏市(共同)

 「下手だな~」「超うまいよ。一生懸命やってんの」。秋晴れの昨年11月の日曜日。松戸市の畑で20~40代の男女約30人が和気あいあいとサツマイモやダイコンを収穫し、農協施設でバーベキューを楽しんだ。

 婚活イベント「畑婚(はたこん)」ではこの日、3組のカップルが成立した。手伝い役の岩立友紀子さん(29)は、参加者に笑顔で話しかけ場を和ませた。

 大手証券会社から農業に転職した岩立さん。自身も柏市で農業を営む昌之さん(36)と婚活イベントで知り合い、2014年に結婚。独身時代に宮崎県の農業法人で研修し、その後、1人で野菜作りを始めた経験から、農業で生活するには「農家の嫁になるのがお勧め」と話す。

 岩立さんは、農業をやりたい女性と、嫁不足に悩む農家の男性の結婚を支援しようと、今年2~3月ごろに農業専用の婚活サイトでサービスを始める。サイトの制作費は約150万円。大部分はインターネットで資金を募る「クラウドファンディング」で集めた。

 岩立さんは「農家の男性は女性と話すのに慣れていない方も多い」といい、一対一でじっくり話せる仕組みを目指す。希望があれば管理人の岩立さんも同席する。サイトでは各地の婚活イベントも紹介する予定だ。

 松戸市の畑婚を運営したNPO法人「クリエイティブまつど工房」の榎本孝芳理事長(61)は「岩立さんのように、農家男性と結婚した体験談を語ってくれる人は貴重だ。女性が一歩踏み出すきっかけになれば」と期待を寄せている。

 一方、参加者が固定化しつつあることから、農家だけでなく、他の男女比が偏っている職場とも連携した婚活の場をつくることも考えている。将来は若者同士が職場以外で気軽に交流できる場をつくりたいという。

 同市での畑婚は14年度から実施していて、既に2組の夫婦が誕生し、子どもも生まれている。昨年はお婿さんの欲しい地元農家の女性も参加しており、結婚して農業を始めたい男性も歓迎している。