最新技術に期待と混乱 ドローンとポケGO 千葉(下) 【回顧2016年 取材メモから】

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 VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の発展など、未来を感じる最新技術が日本を席巻した2016年。千葉市でも技術でまちを変えようと機運が高まる一方、予想外のにぎわいが混乱を生んだケースもあった。

 身近な場所で活用が始まっている小型無人機「ドローン」。ドローンを使った宅配の実証実験が、同市美浜区の幕張新都心で行われた。市内でビッグプロジェクトが進む中、地域独自の取り組みもみられた。

 同市花見川区畑町でドローン空撮事業を手掛ける「ダイヤサービス」(戸出智祐社長)と町内自主防災組織が9月、被災状況を確認するため災害発生時に町内でドローンを飛行させる協定を結んだ。

 四方を橋で囲まれた同地域は、災害で橋が崩落すると孤立してしまう危険性がある。一部は土砂災害特別警戒区域に指定されている。「新しい技術でまちを変えたい」との強い思いが協定締結につながった。

 11月の町内防災訓練では、戸出社長が自らドローンを飛ばし、上空約80メートルの高さから町内の被害状況を確認。地上で見守った約240人の住民からは拍手と歓声が上がった。「ドローンに対する悪いイメージはなくなった」。来年1月にオープンする飛行練習場の設置に向け視界は良好だ。

 一方、技術による新たなにぎわいが混乱を招いたことも。7月に国内配信されたスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」。レアキャラが出現しポケモンの“聖地”となった千葉ポートパーク(中央区中央港1)では、プレーヤーによるごみの散乱や違法駐車が続発。隣接する千葉ポートタワーに連日、地域住民から苦情の電話が相次いだ。

 管轄する県千葉港湾事務所の要請でゲームに必要なアイテムを取れる「ポケストップ」が削除され、施設はほぼ以前の状態に戻ったが、新たなポケモンも出現し始めており、再び対策が迫られる。

 県外では好例もある。11月に宮城県がポケモンGOと連携して実施した震災復興イベントには、全国から1万人以上が参加。関連イベントも含め、石巻市では11日間で約10万人の観光客が訪れ、県内の経済波及効果は概算で約20億円に達した(同県観光課)。地域住民とプレーヤーが理解し合うことができれば、振興策の一つとして活用も期待される。

 (千葉市政部飽本瑛大)

 =おわり