住民反対で開園断念 「静かな生活阻害される」 市川の私立保育園

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 市川市内に今月開園予定だった私立保育園が、近隣住民の反対で開園を断念していたことが分かった。

 市こども施設計画課によると、同園は松戸市の社会福祉法人が市内の住宅街に約550平方メートルの用地を取得し、0~5歳児の定員108人で今月1日に開園予定だった。ところが、近隣住民から「(園児の声で)静かな生活が阻害される」「周辺道路が狭く、送迎の車や自転車があふれて事故が起きる危険がある」などの反対意見が高まり、3月に同法人の理事会で開園断念が決まった。

 市は待機児童対策の一環で毎年、新園開設を進めており、昨年4月末に同法人を事業者選定。8月に同法人が建設計画を周知する看板を設置したところ、住民から建設中止を求める要望書や500人以上の署名が寄せられた。

 法人は10月と12月に住民説明会を開き、園の周囲に防音壁を設置したり、駐車場を確保したりする対策を提案したが、住民の理解が得られなかったという。

 同課の担当者は「住民の反対が予想以上に大きかった。ご理解いただけなかったのは残念」と話した。

 問題を受けて、市は本年度から、事業者に対して、より早い段階で住民に保育園整備を周知することなどを義務付ける。

 市の待機児童数は昨年4月1日現在で過去最高の373人で、全国でワースト9位だった。

 開園断念の報道を受けて、同市には12日、市民や報道各社から問い合わせが殺到し、職員が対応に追われた。

◆「理解得る努力を」 塩崎厚労相
 塩崎恭久厚生労働相は12日、閣議後の記者会見で「子どもは社会の宝。保育園を新たにつくるという待ったなしのニーズに対し、地域の理解を得ることは極めて大事。市や保育園の運営主体が地域の理解を得るための努力を願う。厚労省として支援できるなら、相談したい」と話した。