都市部初、特区を活用 幕張でドローン実証実験 19年までに宅配実用化へ

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ワインボトル無事配達 国から参加した牧島かれん内閣府大臣政務官がドローンからワインを受け取った
実験に使用したドローン

 小型無人機「ドローン」を使って荷物を運ぶ実証実験が11日、千葉市美浜区の幕張新都心で始まった。地域を限定して規制緩和する国家戦略特区を使い、都市部でドローンを飛ばす全国初の試み。風が吹く中、荷物を積んだドローンが大型商業施設やマンションの屋上と隣接する公園を往復した。

 国と市、ドローン研究の第一人者、野波健蔵氏が代表を務める「自律制御システム研究所」(稲毛区)などが共同で実施した。実験を重ねて2019年までにドローン宅配の実用化を目指す。

 使用したのは同研究所が開発したドローン(直径90センチ、高さ40センチ、重さ3キロ)。あらかじめ設定した飛行ルートを、全地球測位システム(GPS)で位置を確かめながら自律飛行する。

 この日は、ワインボトル1本を積んだドローンが「イオンモール幕張新都心」の屋上(高さ23メートル)から約150メートル先の公園にある直径6メートルの円に着陸。10階建てのマンション屋上(同31メートル)へ市販薬を届ける実験も無事に成功した。

 野波氏によると、今後は月1回のペースで実験していく予定。データを集め、雨天や強風時でも安定飛行できる技術の確立や管制システムの設計を急ぐ。

 実験後、野波氏は記者団に対して「まずは千葉市で実用化したい。その後に各地域に波及していければ」と意気込み、熊谷俊人市長は「20年の東京五輪・パラリンピックを一つの焦点に入れ、それまでに宅配を実現させたい」と語った。

 実験を友人と見に来たベイタウン在住の主婦(65)は「安全性に心配はあるが、未来を感じる面白い取り組みだと思う」と話した。

◇ドローン 無線などで遠隔操作して飛ばす無人機の通称。「空の産業革命」をもたらすとされ、農業や測量、警備など幅広い分野で活用が進む。特に宅配サービスの実用化が期待され、米国ではIT大手グーグルやネット通販大手アマゾン・コムなどが実験に乗り出している。日本政府はドローンを活用した新産業育成を目指す一方、人口密集地での無許可の飛行を禁じる改正航空法を昨年12月に施行するなど、安全対策の強化も急いでいる。