海底で地震津波検知 南房総陸上局が開所 世界最大規模の観測網 ケーブル全長5700キロ 北海道まで

 房総半島から北海道にかけ海底をケーブルでつなぎ、地震・津波計の観測点を配備する「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」の南房総陸上局(南房総市白浜町)が23日、試験運用を始めた。全長5700キロに及ぶケーブルは世界最大規模。従来と比べ津波検知が最大20分早くなるほか、巨大地震のメカニズム解明に向けたデータ収集も期待される。

 太平洋沖では、2011年3月の東日本大震災発生以降も活発な余震が発生。大地震や津波が起きる可能性もあり、防災のためのいち早い情報伝達が求められている。

 国立研究開発法人・防災科学技術研究所は震災後、S-netの整備事業に着手。13年7月に南房総市で敷設工事を始めた。

 観測網は房総沖のほか、「茨城・福島沖」「宮城・岩手沖」「三陸沖北部」「釧路・青森沖」の計5海域。これまでに125カ所の観測点を設置した。これらの海域の外側(海溝軸外側)にも25カ所設ける。

 南房総陸上局では、房総沖と海溝軸外側の観測データを常時取得する。今後、他の4海域でも陸上局が稼働し、検知した地震や津波の情報が同研究所や気象庁にリアルタイムで送られる。

 これにより、従来より津波は最大20分早く検知できるほか、緊急地震速報は最大30秒早く出すことが可能になるという。


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