「♪鳥くん」命がけ救助 沖合でおぼれた女性 市川市消防局が感謝状

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市川市東浜で発生した水難事故で、人命救助に協力して感謝状を授与された(右から)山田さん、大谷さん、永井さん=市川市消防局

 市川市東浜地先の東京湾で6月28日に男女3人がおぼれ、男女2人が死亡した水難事故で、市川市消防局の高橋文夫局長は、現場近くに居合わせて女性の救助活動にあたった男性3人に感謝状を贈った。

 表彰されたのは、我孫子市在住のプロバードウオッチャー、「♪鳥くん」こと永井真人さんと、いずれも近くのふなばし三番瀬海浜公園を管理・運営する船橋市公園協会職員の大谷雄一郎さん(32)、山田勝功さん(51)。事故当日、現場から約300メートル離れた場所で同協会主催の野鳥観察会があり、永井さんがガイドを務め、約20人が参加していた。

 「人がおぼれた。助けて」。水難事故を目撃して救助を求めに来た女性の一報で、永井さんが駆け付けると、約100メートル沖合の水面に女性2人が浮いていた。

 「泳ぎに自信はあったが、ためらった」と永井さん。現場付近は大型船の航路で水深が深く、海流もあった。2人を救助に行った別の男性はおぼれて、すでに姿が見えなくなっていた。おぼれた人の家族とみられる高齢女性が岸辺で泣き叫んでいた。

 現場までたどり着けるか。人を抱えて戻って来られるか-。永井さんは頭の中で救助の手順をイメージしてから、海に飛び込んだ。あおむけで浮いている女性の頭部を抱えて、岸辺へ向かったが、半分ほどのところで体力が限界に。SOSを受けて、大谷さんも海に飛び込み、女性を防波堤に引き上げた。その間に、山田さんが消防に通報、消防隊を誘導した。

 表彰式で、永井さんは「人を抱えて泳ぐのは想像以上に大変。自分一人では助けられなかった。二次災害を招かないよう、救助は複数人で行うべき」と教訓を語った。山田さんは「二人が亡くなり、もっとできることがあったのではとの思いがある」とした上で「公園の管理区域外で起きる事故も想定して対応力を高めたい」と話した。