危険な毒魚2種が明らかに ゴンズイ 【海の紳士録】

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 ゴンズイはナマズの仲間で、口のまわりにある8本のヒゲと、体側をはしる黄色いラインが特徴である。海の博物館のある勝浦では、藻場や岩礁でふつうに見られ、数十~数百尾のゴンズイが一つの玉のようになって群がっている。夏になると、その年に生まれた小さな幼魚が潮だまりに入ってくる。

 ゴンズイは触ると危険な魚の代表格で、背ビレと胸ビレに強い毒を持つ棘がある。刺されると猛烈な痛みが走り、その痛みがしばらく続くことがある。実は筆者が小学1年生の時、魚釣りをしていてゴンズイがかかり、危険な魚とは知らずに手でつかんでしまったことがある。身をもって激痛を体験しているので、博物館へやってくる子どもに磯観察を指導する際、ゴンズイには特に注意を呼びかけてしまう。

 これまでゴンズイは1種であると考えられてきたが、最近の研究で2種いることが明らかになった。日本沿岸で本州から沖縄にかけて広く分布するのがゴンズイ、主に沖縄以南に分布するのがミナミゴンズイである。これら2種は非常によく似ており、ヒレの位置関係などに違いが見られるものの、外見だけで両種を区別するのは困難である。

 ごくふつうに見られる種が複数の種に分けられるということは、魚類ではよくあることである。(千葉県立中央博物館分館海の博物館 川瀬裕司)