「代表降ろし」進む 千葉市キャラ「ちはなちゃん」 露出度、ピークの4分の1

ちはなちゃん(左)。かつてはチーバくんとの共演も多かった=2010年3月
ちはなちゃん(左)。かつてはチーバくんとの共演も多かった=2010年3月

 千葉市が都市イメージに掲げる「花の都・ちば」のPRキャラクター「ちはなちゃん」の存在感が急速に薄くなっている。かつては「市の代表キャラ」に位置付けられる活躍だったが、行事への出演数は昨年度、ピークの4分の1に減少。市が3年前にキャラの利用を制限する方針を決めたことが、事実上の「代表降ろし」につながった。市関係者の間では「『花の都』を掲げ始めたのが前市長。現職の熊谷俊人市長がちはなちゃんを代表扱いしたくないのでは」との声も出ている。

 「突然ルールが厳しくなり、ぱったりと出演してもらえなくなった」。街頭キャンペーンのため過去に数回着ぐるみを借りた県内慈善団体の幹部は残念がる。

 ちはなちゃんは2003年、公募と市民投票を経て最多の1188票を獲得して誕生。市の花「オオガハス」の妖精という設定だ。「花の都」のPR役を任じられたが、それにとどまらない活躍を見せた。

 観光、防火、市税のキャンペーン、地域の祭りなど数多くの行事に出演。市ホームページのトップページにも掲載され、市広報紙「ちば市政だより」には毎号登場した。愛らしい姿から子供たちや女性からの支持は厚く、熊谷市長が初当選した09年6月の市長選では「選挙マスコット」にも起用され、若者の投票率向上を目指し奮闘した。

 ところが熊谷市政に転換後しばらくして、露出度は激減する。着ぐるみの貸し出しは10年度に53件を数えたが、12年度は17件、13年度は13件。本年度も8月末で5件にとどまる。

 ごみ減量キャラ「へらそうくん」、市税キャラ「モリ夫くん」など市関連キャラが増える中、市が11年12月に「各事業のキャラは各事業に限って利用する」との指針案を作成したことが影響した。市は利用制限の理由を「市の統一的なイメージ発信が図れなくなるため」と説明するが、すでに代表格として地位が確立していたちはなちゃんにとっては、「代表降ろし」をされたも同然だった。

 以来、「花の都」のPRと関係がない行事には出ておらず、「ゆるキャライベントや商店街のお祭り、テレビ局からのオファーも断っている」(市緑政課)。市ホームページのトップからも姿を消し、広報紙への登場も極端に減った。

 現在開催中の「ゆるキャラグランプリ」に県マスコット「チーバくん」をはじめ全国の自治体キャラが街おこしを目指して参戦する中、4日の定例会見で「市の代表キャラ」の必要性について問われた熊谷市長は「ゆるキャラは一過性の注目は浴びるかもしれないが、(成功は)極めて難しい道」とし、現段階では必要ないとの考えを示した。

 ツイッターでも、ちはなちゃんが消えていくことの「意図」を問う声が出ていた。その疑問に熊谷市長は昨年2月19日、「個人的な見解で市のCI(コーポレート・アイデンティティー)戦略を左右はしません。既に全国区である風太君やチーバくんがあることを考えれば、キャラクター乱立は望ましくない」とツイートしている。

 乱立を懸念しながらも市は今年7月、加曽利貝塚キャラ「かそりーぬ」を発表。出番が減るちはなちゃんとは対照的に多彩なジャンルの催事に精力的に出演し、市ホームページのトップにも登場した。

 市民投票という民主的な方法で選ばれ、市民の間に着実に根付いていたちはなちゃん。誕生したのが前市長の時代だったとは言え、キャラ自身に罪はないのだが…。


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