名物ぬれ煎餅 直売所オープン 本業の設備投資費捻出へ 銚子電鉄

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銚子電鉄のぬれ煎餅工場敷地内にオープンした直売所「ぬれ煎餅駅」=28日、銚子市小浜町
銚子電鉄のぬれ煎餅工場敷地内にオープンした直売所「ぬれ煎餅駅」=28日、銚子市小浜町

 銚子市の銚子電鉄は、ぬれ煎餅工場を同市小浜町の国道126号沿いに新設する。10カ年にわたる経営改善に取り組む同社は、名物ぬれ煎餅の増産で収益増を図り、本業の鉄道部門の設備投資費用を捻出する狙いで、竹本勝紀社長は新工場を「一つの大きな起爆剤にしたい」と期待。新工場稼働に先立ち、同所工場事務所1階に直売所と煎餅の手焼き体験ができる「ぬれ煎餅駅」が28日、オープンした。

 新工場と直売所は、借り受けた県酒販銚子支店跡3300平方メートルに5千万円を投じて整備した。銚子駅から直線で約5キロ離れていることから、車で銚子を訪れる観光客や大型バスの団体客の利用を想定している。

 倉庫を改修した新工場は、仲ノ町駅にある工場の移転と生産ラインの増設で生産量1・5倍、5千万円の売り上げ増を見込む。9月までに本格稼働させ、西日本地域への販路拡大を検討している。

 直売所は長年親しまれていた同電鉄旧車両カラーの赤と焦げ茶色で塗装された目を引く建物。ぬれ煎餅のほか、県内や新潟県で製造された煎餅やあられ、おかき約70種類を銚電ブランド品として100円から販売し、煎餅の手焼き体験は200円。今後も種類を増やし、酒など銚電ブランド品やコラボ商品の開発・販売も進める。

 同社は昨年度、主にぬれ煎餅販売による副業部門で約3億7千万円の売り上げ、約3千万円の利益があった一方、鉄道部門の収入は約8500万円にとどまり約9100万円の赤字。約6200万円の経常損失を出した。来年度には車両入れ替えを控えており、副業による収益増に頼らざるを得ない経営状況が続く。

 鉄道部門の増収に向けレトロな車両や駅舎を生かし、昭和の懐かしさをコンセプトにした企画を計画する。また、東日本大震災で足が遠のいた観光客を呼び戻すことが乗客増加につながることから、地元の各種団体などと「銚子電鉄応援団」を設立。電鉄の支援活動を行うだけでなく、銚子全体の活性化に取り組んでいく。

 竹本社長は「地方鉄道が生き残るには応援組織は必須。地元のみなさんの“ふるさと鉄道”になれるよう力を注いでいきたい」と話している。

 直売店の営業は午前10時~午後6時。29日に野菜の詰め放題やミニ電車運転、「銚電神ゴーガッシャー」や「銚子元気娘。」のショーなどイベントを行う。

 問い合わせは同社、電話0479(22)0316。