穏やかな日常と震災の恐ろしさ 伊藤大仁油彩展 千葉市・ギャラリー睦

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 千葉市中央区のギャラリー睦で3日、緑区在住の洋画家、伊藤大仁さんの個展が始まった。ほのぼの温かい身近な風景、静物画30点が中心だが、震災後をテーマにした重厚な5点を出品。両極端な題材の対比が、絵が表現する力を感じさせる。

 「青い空蒼い海の悲しみ」は破壊された原発を描いた作品。無残な姿の建屋と、空と海の青色のコントラストが悲惨さを訴える。汚染をイメージした抽象作品も、怒りと悲しみの大きさが伝わってくる。

 一方、県内のさまざまな田園風景や花の絵は、平和で穏やかな日常を表現。独特の色使いが特徴で、見る者の気持ちを和ませてくれる。惰眠をむさぼる子ねこを描いた小品「小春日和」は、そんな雰囲気を代表する作品。

 「『小春日和』を満喫する子ねこも、ひとたび原発事故が起きれば『捨てられた風景』になってしまうとのメッセージを込めた」と伊藤さん。油彩画の楽しさを感じつつ、原発事故の恐ろしさを再認識させられる展示になっている。

 23日まで(14、17、21日休廊)、午前11時から午後6時(最終日は午後4時まで)。無料。問い合わせは同ギャラリー、電話043(287)2355。