「安全協定」を解除 遺伝子組み換え施設廃止で 昭和電工と地元自治会

 千葉土気緑の森工業団地(千葉市緑区)に研究所のある昭和電工と、地元5町内自治会が20年前に締結した環境安全協定が、両者の合意のもと解消された。研究所が遺伝子組み換え研究施設を廃止したことに伴って、協定の存続意義が薄れたため。千葉市の立ち会いの下で25日、協定解除の覚書を結ぶ手交式を行った。

 昭和電工などによると、遺伝子組み換えの研究施設は1994年1月に開設した。住民の中から環境への影響に対する不安が高まったことから、同年12月、市が立ち会って、同社と地元で協定書を取り交わした。

 協定を締結していたのは大木戸台、大椎台、旧・千葉東角栄団地(現・越智はなみずき台)の各自治会と、大木戸、越智の両町内会。研究所の環境安全の確保を図って公害を未然に防止し、地域住民と研究所が相互理解を深めることが目的。両者による環境安全協議会を毎年開催することや、住民による立ち入り調査を受け入れることが明記されている。

 協議会はこれまで21回開かれ、住民側は研究所内に入って直接、安全管理体制を確認するとともに、地震対策などを要望してきた。

 研究所は2011年、遺伝子組み換え研究施設を廃止。13年11月は市に廃止届を出したため、両者は新たな覚書を結び協定を解除することにした。手交式は市役所で行われ、市環境局の渡辺茂環境保全部長が覚書を読み上げた。

 続木敏所長は「これで終わりではなく、これからも環境保全に取り組んでいきたい」と述べた。大椎台自治会の川本幸立さん(61)は「住民と事業者が直接、環境安全の協定を結んで、住民が環境調査を行う取り組みは、全国的にも例はなかったと思う」とした上で「今後も必要な際には、対話を求めていきたい」としている。


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