再発防止工事へ続く協議 合意得れば新年度着工 千葉市美浜区の液状化

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磯辺63自治会を対象に開かれた市の説明会。対策工事実施に向けた市との協議が続いている=5日、千葉市美浜区

 東日本大震災の液状化で、約1500棟が被害を受けた千葉市美浜区。再液状化を防ぐ工事に向け住民との協議が続く磯辺4丁目は、市のモデル地区に指定されており、市は合意が得られれば新年度内にも着工する考えだ。一方、同じ磯辺地区でも発生から3年が経過した今も傾いたままの住宅で暮らし「新たな一歩」を踏み出せない人もいる。

 磯辺4丁目の地盤は一定の粘土層が広がり、地下水をくみ上げて液状化しにくい地層を厚くする「地下水位低下工法」が有効とされている。市は地区内の公園で、地盤沈下が発生しないかを見極める実験を続けており、これまでの調査では一定の効果が出ている。

 同工法では工事にかかる住民負担はなく、水をくみ上げるポンプなどの維持管理費を住民が払い、市の概算では1戸当たり年間1万円になる(30年間で試算)。市は具体的工法や正確な住民負担額などを算出する事業計画を早期に策定、秋ごろまでに住民合意を得て新年度内に工事を始める計画を立てている。

 今月5日、市が地元の「磯辺63自治会」を対象にして開いた説明会。住民からは「維持管理はどこが主体になるのか」「大地震が起きて施設が故障したらどうするのか」などの質問が出た。国の支援制度では地権者の3分の2以上の合意が必要だが、市の担当者は「市としては百パーセントに近づけた形で事業を実施したい」と説明した。

 自治会の防災会で本部長を務める吉沢敬一さん(67)は「今後も住民の声を聞きながら市と密接に連絡を取りたい。市の事業計画に地元の意見を取り入れてもらい、合意が得やすいようにしたい」と話している。