原発事故後の思い熱演 長狭高生と意見交換も 福島の光南高校演劇部

 震災、原発事故、生の声から感じ取って-。福島県矢吹町の県立光南高校演劇部が鴨川市と長生村で公演し、一変した生活の中で抱いた思いを熱演した。県立長狭高文化ホールでの上演後には、過疎化や原発問題など地域の課題をめぐる高校生同士の意見交換会もあった。

 「福島の今」を訴え、県内外で公演を続ける光南高の活動を知った有志による実行委員会が招き、長狭高には演劇部と生徒会の10人が来校した。

 上演作は「この青空はほんとの空ってことでいいですか?第二章ばらあら、ばらあ」。原発事故後、懸命に明日を見いだそうともがく高校生6人の友情や青春の悩みを描いた物語で、顧問の佐藤茂紀教諭が脚本を手掛けた。

 いわき市出身の詩人、草野心平が、たわいない幸福を“カエル語”でつづった「ごびらっぷの独白」がエッセンスとなっている。劇中には、地震、津波、原発、放射線量といった言葉があふれ、震災から3年を迎えようとしている「フクシマ」の現実を問題提起していた。

 生徒同士の意見交換会では、光南高生徒会の鈴木麻友さん(18)と上遠野一貴君(18)が軽妙な掛け合いで会場の笑いを誘いながら、おいしい料理や自然豊かなふるさとを紹介した。

 地域の未来を考えるテーマでは、長狭高生が「少子高齢化で若者が出ていく」と過疎化を心配した。光南高生は「原発が何なのか知らなかった」「まだ放射線量の高い地区などがあり、がれきの撤去も進んでいない」「今も生きてるからいいかな」と率直な意見を披露。「死ぬまで福島の米を食べたい」「福島の野菜はおいしい。福島だけ別物ではなく、同じ日本のものだと思ってほしい」「廃炉にして空間線量を下げて。そうすれば何十年後かには良くなる」との思いを訴えた。

 来場した長谷川孝夫市長は、本県にも除染廃棄物処理問題があることを高校生に紹介。歌手の加藤登紀子さんは「自分たちで情報を集めて判断し、なぜ原発ができたのか考えてほしい」と呼び掛けた。

 長狭高生徒会長の植田真梨子さん(17)は「福島の生の声が聞け、考えることがいっぱいあった。元気そうだけど、当時の悲しい思いも感じ取れました」と充実した会を振り返った。


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