「伊八」の魅力を後世に 写真展示し研究成果発表 17日から、千葉県生涯大学校

  • LINEで送る

 千葉県生涯大学校・京葉学園(千葉市中央区)社会専攻科で学ぶ8人が、江戸時代に房総を中心に活躍、多くの作品を残した彫刻師、「波の伊八」こと武志伊八郎信由(初代伊八)を研究。17日から19日まで行われる同学園の作品展示会で写真展を開催し、成果を発表する。

 社会専攻科は県内のさまざまなテーマを取り上げ、地域活性化につながる研究を実施していて、8人は「伊八学習活動グループ」として、1年以上かけて「伊八会」の当間隆代会長や、鴨川市郷土資料館の石川丈夫学芸員ら専門家に話を聞き、現地取材を重ねてきた。作品の芸術的価値だけでなく伊八が生きた時代背景などを探り考察。メンバーの黒田隆之さんは「伊八を通じて、房総の庶民の文化性の高さが分かった」と話す。

 葛飾北斎の冨嶽三十六景に影響を与えたともされる行元寺(いすみ市)の欄間彫刻など、名作を数多く制作した伊八だが、幕府のお抱えの「宮彫り師」でなく、地元の寺社、庶民に支えられた彫刻師だったのが特徴。若いころの作品は未熟さが残っているが、地道に仕事をこなしているうちに、江戸時代を代表する技術と芸術性を身に付けたという。メンバーは「房総が経済的に豊かで、信仰心が厚い土地だったから、活動を続けられた」と結論づける。

 一方、研究を続ける中で、現存する作品の破損、劣化が深刻な課題になっている現状を知った。「しっかり保存されている作品もあるとはいえ、全部修復しようとすれば多大な費用がかかる。伊八の彫刻の素晴らしさを広く知ってもらい、観光客誘致につなげて、保存につなげたい」という。