後世に語り継ぐ先人たちの逸話 20年ぶり、新作含め51話 「市川のむかし話」民話の会が改訂版

新たに出版する「市川のむかし話」の改訂版(左)を紹介する市川民話の会の高田会長
新たに出版する「市川のむかし話」の改訂版(左)を紹介する市川民話の会の高田会長

 市川市周辺で語り継がれてきた民話を集めた書籍「市川のむかし話」の改訂版が出版される。制作した市川民話の会が約20年ぶりに内容を見直し、新作を含む51話を収録した。同会の高田和正会長(73)は「先人たちが築いた生活様式、文化、農業、工業などの上に今日の私たちの生活が成り立っていることを忘れてはならない」と民話継承の大切さを訴える。

 社会環境の変化とともに失われつつある民話を掘り起こし後世に語り継ごうと、市内の民家訪問などを続けている同会は1980年に最初の「市川のむかし話」を出版。その10年後に「続・市川のむかし話」を刊行している。今回の改訂版は1冊目の全話と2冊目からの抜粋に加え、前2冊に未収録の話をいくつか加え「決定版という位置付け」(同会)としている。

 初収録となる新作の一つ「梨づくりの善六さん」は、市川の梨づくりの始祖とされる川上善六が、美濃尾張(現在の岐阜県と愛知県の境辺り)まで足を運んで梨の作り方を研究するなど、苦労して梨づくりを成功させるまでを一話にまとめている。このほか、数々の逸話を残した変わり者の重右衛門という男にまつわる23の話など230ページ分を盛り込んだ。


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