南房総市と「じゃらん」 宿泊特別クーポン開始 最大9000円割引 観光復調の起爆剤に 【台風 被災地はいま】

災害の爪痕が残る中、営業を続ける旅館=2日、南房総市千倉町
災害の爪痕が残る中、営業を続ける旅館=2日、南房総市千倉町

 相次ぐ台風や豪雨で大きな被害を受け、観光客が激減している南房総市は2日、大手旅行サイト「じゃらんnet」と提携し、市内の旅館やホテルで利用できる特別クーポンの配布を始めた。宿泊料金に応じて最大9千円が割引となり、今月28日のチェックアウト時まで利用可能。例年宿泊者数が伸びる年末へ向け、市は「旅行サイトを通じて観光客を呼び戻したい」と意気込んでいる。

 クーポンは2人以上の予約から利用でき、同サイトに登録している宿泊施設が対象。割引額は、宿泊料金が1万7500円~2万5千円の場合は5500円、2万5千円~3万円は7500円、3万円以上は9千円。

 同市では台風15号以降、観光客が大幅に減少。市観光プロモーション課によると、9月の観光客数は1万6787人と、前年同月に比べ半分以下に減った。9・10月の宿泊者数も半減しており、観光業の復興が喫緊の課題だ。

 観光客を呼び戻す起爆剤となるか、特別クーポンに地元宿泊業者の期待も大きい。1899(明治32)年創業の老舗「魚拓荘鈴木屋」(同市千倉町)では、台風15号で屋根や窓ガラスが損壊し、雨漏りが発生。台風19号や豪雨で被害がさらに拡大し、現在も客室16室のうち、使用できるのは10室ほどにとどまる。

 全面復旧には来年春ごろまでかかる見通しだが、今後も営業は続けていくという。同館の鈴木健史社長(58)は「料理で出す魚も戻ってきたし、お風呂も問題なく使える。独自の割引プランもあるので、復興割と合わせて使ってほしい。年末は南房総でゆっくり過ごしてもらえれば」と話す。

 16日からは「楽天トラベル」でも同様のクーポンを配信。年明けには市内の小さな民宿や飲食店などで使えるクーポンも配布し、復興を後押しする。


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