利根運河の景観活用 古民家生きるまちへ 流山市と千葉銀、観光振興で協定

利根運河の景観を守るため、市が市土地開発基金を活用し購入した「割烹新川屋本館」=流山市
利根運河の景観を守るため、市が市土地開発基金を活用し購入した「割烹新川屋本館」=流山市
協定を結んだ流山市の井崎市長(左)と千葉銀行の篠崎忠義取締役専務執行役員=流山市
協定を結んだ流山市の井崎市長(左)と千葉銀行の篠崎忠義取締役専務執行役員=流山市

 歴史的資源の古民家を観光誘客やまちづくりに生かそうと、流山市と千葉銀行は連携協定を結んだ。観光地づくりのかじ取り役を担う組織「DMO」の設立やその運営支援を通し、地域活性化に官民協働で取り組む。DMOは2020年度内の設立を目指す。

 みりん醸造や水運で栄え、国の登録有形文化財の見世蔵や土蔵が残る流山本町と、近代化産業遺産で自然景観が豊かな利根運河。

 市はこの二つの地域への誘客を狙い、歴史的建造物の店舗に対する改装費や賃借料を補助。商家を使ったレストランや納屋を改装したカフェなどこれまでに9件を建物再生に活用した。

 一方、相続や事業継承の難しさ、修繕費の負担を理由に取り壊される建造物も多い。再生を働きかけても実現しなかった建物は10件ほどあり、歴史的景観が失われつつあるという。

 特に、利根運河沿いに古くからあり登録有形文化財に申請中の「割烹新川屋本館」の売却話は、行政だけでは対応できない現状を再認識する機会になったという。景観が損なわれることを避けるため、市は5月、市土地開発基金を活用し約1億3千万円で土地、建物を購入。今後、観光拠点として整備する方針だ。

 市は「購入は異例の対応で、同じようなことを次はできない。DMOであればスピード感のある対応ができる。事業の柱として古民家再生に取り組みたい」と説明する。

 千葉銀行は古民家活用チームの編成や、DMOが昨年8月に立ち上がった大多喜町で古民家を活用した観光振興に取り組んだ実績がある。流山市との協定は大多喜町に次いで2例目。

 流山版DMOは構想段階だが、官民が出資し常勤の職員を2人程度配置することを検討する。

 井崎義治市長は「官民連携により市の観光資源が魅力あるものになると確信している」と期待を込めた。


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