「ペリエ千葉」全面開業 買い物客さらに集中 周辺へ人の流れ課題 千葉県都の将来像は 

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駅ビル「ペリエ千葉」の全面開業後、最初の週末を迎え、多くの買い物客らでにぎわうJR千葉駅周辺=6月30日、千葉市中央区
駅ビル「ペリエ千葉」の全面開業後、最初の週末を迎え、多くの買い物客らでにぎわうJR千葉駅周辺=6月30日、千葉市中央区
千葉パルコ閉店で空洞化が進む千葉市の中心市街地
千葉パルコ閉店で空洞化が進む千葉市の中心市街地

 新たに食料品や飲食など87店を加えて、6月28日に全面開業したJR千葉駅ビル「ペリエ千葉」。最初の週末は多くの買い物客でにぎわった。一方、駅から少し離れた千葉市中心市街地では、ネット通販の急伸や節約志向のあおりで、千葉パルコ(2016年11月)、三越千葉店(17年3月)と大型百貨店が相次ぎ閉店。市街地空洞化の加速が危ぶまれ、商店主からは「買い物が駅前で完結してしまう」と不安の声も漏れる。駅周辺の再開発も進む中、商業機能が充実した駅から街へ人が流れる動線を作り、空洞化に歯止めをかけられるかで、県都の将来像は大きく変わってくる。(政経部・篠塚紀子、金林寛人)

 「街に面した駅の“顔”がオープンすることで回遊性が高まり、千葉を元気にする起爆剤になる」

 ペリエ千葉を運営する千葉ステーションビル(千葉市中央区)の椿浩社長は6月26日の報道向け内覧会で、地上7階地下1階建て全277店の全面開業によるプラス面を強調した。

 ペリエ千葉の新エリアは、休憩や待ち合わせにも使えるフードコートを備え滞在しやすくする一方、屋外との回遊性も重視。東口ロータリーやそごう千葉店方面へつながる複数の出入り口を設け、通りに面した場所には飲食店を配置するなど街との一体感を持たせたという。

■顕著な二極化

 楽観的な観測とは裏腹に、データは厳しい現実を突き付ける。ちばぎん総合研究所の比較調査で、駅ビル開業前後の滞在人口は駅やそごう周辺で増えたが、パルコ閉店後の中心市街地では減り「二極化」が鮮明に。消費者の節約志向が続く中、縮小する“パイ”の争奪戦は激しい。

 総務省の4月家計調査で消費支出は3カ月連続マイナス。日本百貨店協会加盟店の17年売上高はピークの約6割まで落ち込んだ。消費低迷が政令市にも暗い影を落とし、大型店を次々と閉店に追い込んだ。

 パルコ閉店で「千葉銀座商店街」の商店主らは逆風にさらされる。書店を営む中島浩さん(56)は「休日は中心市街地に人が少なくなった」と嘆く。中華料理店の男性店長(36)も「今も苦しいのに、さらに客が減れば閉店の可能性もある」と頭を抱える。

 一方、全面開業で街の活気が増すとの見方も。JRと京成の高架下商業施設「C・one(シーワン)」を運営する千葉ショッピングセンターは「高架下を通って京成千葉中央駅へと人が流れる“ゴールデンルート”が復活する」(山口尚登経営部長)と歓迎する。

■パルコ跡地は?

 中心市街地のにぎわい復活へ期待がかかるパルコ跡地の今後はどうなるのか。跡地を買い取った新日本建設(千葉市美浜区)は、23年完成をめどに高層マンションや商業施設からなる複合ビルの開発を進める。

 同社の金綱一男会長は駅ビル全面開業を商機とみる。「中心市街地の集客力を高める絶好の機会。地元経済界が一丸となって総合的な開発に取り組む」と力を込める。近くでそば店を営む吉田政孝さん(60)も「マンションや店舗ができ、にぎわいが戻れば」と開発を待ち望む。

 中心市街地の事業者は手をこまねいているわけではない。千葉商工会議所は6月、地元産品のアンテナショップを開設。市内の飲食店が参加する飲み歩きイベントや循環バスの運行など知恵を絞る。

 熊谷俊人市長は6月28日の定例会見で、失われていた県都の求心力アップに期待。駅周辺や中心市街地の再開発にも触れ「まちは適切な新陳代謝がなければ魅力的にならない。ノスタルジーにとらわれるのでなく、そこへ行く理由になるコンテンツを作ることが必要」と時代の流れに合ったまちづくりを進める方針を語った。