幕張新都心地下で野菜栽培 世界初の全自動工場稼働 共同溝を有効活用、量産目指す 【マクハリ】

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幕張新都心地下で試験栽培を開始した全自動植物工場=13日、習志野市

 幕張新都心の地下で13日、世界初の全自動植物工場が稼働した。使われなくなった共同溝を有効活用するもので、変動が激しい気候の影響を受けないため、低コストで安定した品質の野菜を栽培できる。1年間の試験栽培を経て、2019年から「マクハリ野菜」の量産を目指す。

 共同溝は電線や電話線を埋設するため、旧県企業庁が千葉市美浜区から習志野市にかけて1995年に造ったが、幕張新都心への企業進出が不調で習志野市区間(約1・1キロ)が利用されなかった。有効活用を目指す県は同区間の事業者を募り、昨年3月、モーターなどを製造する伊東電機(兵庫県加西市)のグループを選定した。

 稼働した全自動地下植物工場「ベチカ」(習志野市芝園)は、地下10メートルにある共同溝の一部を利用。全長30メートルで延べ床面積120平方メートル。同社によると、全自動の地下植物工場は世界初の試みという。

 地上施設でレタスの苗を植えたトレーを、一定程度育った20日後にゴンドラで工場へ運ぶ。地下では「セル」と呼ばれる棚に格納し、トレーにLEDを照射。24日後には完成したレタスが地上に運ばれる。これらの工程はすべて自動。LEDと運搬などには同社保有の技術が用いられている。

 地下工場は温度が一定のため空調が不要で、従来の屋内植物工場に比べ電気代が3分の1程度で済む。また、近年変動が大きい気候の影響を受けないため、収量、品質とも安定する。大消費地の東京に近く、物流コストを削減できる。

 今後1年間はレタス1日200株のほか、ベビーリーフや食用花を試験栽培。順調なら2019年にレタスの量産を開始し、20年には工場を全長800メートルに拡大したうえでセルも増設して1日5千株の本格量産を目指す。

 同社の伊東一夫社長は「自然災害や天候不順、後継者不足など、食を取り巻く難問の解決に役立ちたい。将来は果物や穀物も栽培したい」と意気込んだ。